2015年に創立70周年を迎えたトーヨー、2017年5月に本社を大阪市西区より兵庫県伊丹市に移転。2019年1月1日付で社名(商号)をTOYO TIRE 株式会社(英文表記:Toyo Tire Corporation)に変更。
タイヤビジネス誌による2021年の世界シェアは1.7%で11位です。国内はブリヂストン、住友ゴム、ヨコハマに次いで4位。
70年を超えるトーヨー、NITTOの役割も大きい
1945年東洋紡績(現・東洋紡)によって設立された東洋ゴム化工と平野護謨製造所が合併、東洋ゴム工業が設立されました。そう東洋は東洋紡との関係があった。
東洋ゴム化工は1945年6月、平野護謨製造所は7月にそれぞれ大空襲で甚大な被害を受けたという。両社は戦災を乗り越えるために協力、合併を経て東洋ゴム工業株式会社として新たな歴史の扉を開きました。
1953年伊丹工場(兵庫県伊丹市)開設。1961年中央研究所(大阪府茨木市)開設。1979年日東タイヤと生産、技術、販売、管理等業務全般にわたり提携。1996年菱東タイヤを吸収合併。1999年鬼怒川ゴム工業と業務提携。2001年TOYO TECHNICAL CENTER(現タイヤ技術センター)を兵庫県伊丹市に開設しました。
2007年には国内のタイヤ販売会社10社を統合しトーヨータイヤジャパンを設立。2008年ブリヂストンと業務・資本提携しています。ブリヂストンは8.72%を出資し大株主となります。2013年研究開発センター(大阪府茨木市)を兵庫県川西市に移設、名称を東洋ゴム基盤技術センターに変更。
TOYO TIREには NITTO(ニットー)ブランドも存在します。元々は日東です。これについても触れる必要ありますね。現在NITTOの位置付けは輸出用ブランド、特に北米を中心とした展開がメインです。国内展開もあり。
日東タイヤは1949年に設立され、1960年代に米国進出を果たします。1971年横浜ゴムと提携するも、1979年に解消し東洋ゴムと提携、傘下に入り菱東タイヤが設立されました。1996年東洋ゴムが菱東タイヤを吸収合併する。これにより1ブランドとしてNITTOが展開されています。
北米での認知の高さは東洋ゴムの成長にも貢献しています。2010年に割合が9%であったものを2015年には15%までに引き上げ、重要な位置付けになっています。
TOYO TIRE 株式会社 に変更
2019年1月1日付で社名(商号)を東洋ゴム工業株式会社からTOYO TIRE 株式会社(英文表記:Toyo Tire Corporation)に変更しました。
理由はタイヤ・自動車用部品に関わる事業を中核とするなかで、グローバルで高いブランドイメージをもつ TOYO TIRE に社名を合わせるのが狙い、としています。
諸々あるんでしょうけど、タイヤ関連からするとTOYO TIRE株式会社になってもトーヨーのままで変わりなし。因みに国内の他メーカーは、株式会社ブリヂストン、横浜ゴム株式会社、住友ゴム工業株式会社など。一般にはブリヂストン、ヨコハマ、そして住友ゴムはダンロップ・ファルケンで認知です。
トーヨーの北米における知名度は意外に高い! 「PROXES」そして「OPEN COUNTRY」など受け入れは国内以上。更にNITTOもニッチな層を超えて一般化、高い評価を受けています。これをきっかけにグローバルもそうだけれど、国内展開も新たな打ち出しの積極性を期待したい。
トーヨータイヤ性能比較
スポーツ
「PROXES Sport」の後継。プレミアムスポーツに求められる性能を高次元で実現。主張はウェットグリップ性能を大幅に向上、新たなフラッグシップを謳う。ドライブレーキで4%の短縮、ウェットブレーキでは16%もの大幅な短縮を果たす。
従来品「PROXES T1 Sport」に比較して低燃費性能、ウェットグリップ性能を大幅に向上、新たなフラッグシップの登場を謳う。ウェットグリップ性能が全35サイズで「a」、転がり抵抗係数も17サイズで「A」を実現。
トレッドパターンが斜めカット。Sタイヤのコンパウンドを使いパターンもレイン用Sタイヤと見間違えるほど。グリップ性能に限ればPOTENZAやADVANにも勝る性能を持つと言われたほど‥ 見た目の精悍さもいい。
プレミアムコンフォート
上質なクルージングを追求し、環境性能を進化させた最新作。従来品からようやく長いトンネルを抜けた。大型のセダンや高出力車をターゲット。静粛性や上質の乗り心地などは当然のこと、高速スタビリティを加味し走りと乗り心地を兼ね備える。
静粛性や上質の乗り心地を更に加速。また高速スタビリティを加味することで、よりプレミアム性に拘る。最新技術の投入が盛りだくさんでポジショニングを優位に展開する。「PROXES C1S SPEC-a」はフェードアウト。
コンフォート
転がり抵抗係数「A」、ウェットグリップ性能「b」を達成した低燃費タイヤ。国内では輸入車向けと添えられるも、コンフォートへのポジションがフィットする。SUV/4×4用「CF2 SUV」も同時展開される。
ミニバン
「TRANPATH LuⅡ」への進化では、最上級の静粛性と快適性を備え、ラグジュアリーミニバンにふさわしい上質な移動空間の提供。待望の低燃費タイヤ化を実現、転がり抵抗係数は「A」、ウェットグリップ性能は「b」。
ミニバン専用タイヤとして、「TRANPATH」が誇るロングライフとふらつき抑制の基本性能を踏襲。摩耗性能とウェット性能の向上を高次元で両立。従来品「TRANPATH mpZ」と比較し制動距離を15%短縮だという。
「TRANPATH mpF」の後継となり6代目のミニバン専用タイヤ。左右非対称3本溝パターンとワイドトレッドを採用、接地面積拡大により摩耗ライフに対応。3Dマルチサイプとアウト側リブを広くとり剛性を高め偏摩耗を抑制。
軽カーはハイト系と呼ばれる背の高いタイプが人気。これらは横からの影響を受けやすくフラつきや偏摩耗が懸念される。「LuⅡ」の静粛性と上質な乗り心地を持ち合わせ、軽カーハイト系のフラつきや偏摩耗に対応する。
スタンダード
トーヨーもプラス(PLUS)進化を果たす。コンパウンド系の新採用により、転がり抵抗係数「A」を維持しながらも、ウェットグリップ性能を従来の「c」から「b」にグレードアップ。従来品を越える性能進化を訴える。
「NENOENERGY」はトレッドコンパウンドにナノレベルでゴムの材料開発を制御する技術 Nano Balance Technology を駆使したタイヤ。「NANOENERGY 3」においてもこの継承が特徴となる。シリーズのエントリーモデルとして登場。
従来品「TEO plus」の後継。低燃費性能と耐摩耗性能を高次元で両立、ラベリング制度の転がり抵抗係数「A」、ウェットグリップ性能「c」を実現した新スタンダード低燃費タイヤ。軽・コンパクトカー向けに「SD-k7」を同時発表。
SUV
プレミアムスポーツ「PROXES Sport」のSUV専用。低燃費タイヤとして、しかもプレミアム向けであることを最大主張に掲げる。ウェットグリップ性能は全サイズで最高グレーディング「a」を実現、従来品比較でウェット制動7%短縮の根拠付けに。
SUV低燃費タイヤとして静粛性と耐摩耗性向上。左右非対称パターンを採用しパターノイズを22%も低減、オンロードにおける更なる高位性を発揮。転がり抵抗係数「A」、ウェットグリップ性能「b」は従来品同様。
PROXESシリーズにSUV専用ドレスアップタイヤを投入。アグレッシブパターンを採用、大口径サイズへのインチアップ、SUVを一段と華やかにドレスアップ可能。ドレスアップを主張する斬新なデザインはNITTOの影響を強く感じる。
静かで快適な都市型オンロード向けSUV用を謳う。名称の「U/T」はUrban Terrainの略だという。Urban=都市、Terrain=地形 となるので新たな都市型仕様のSUV専用タイヤを狙う。H/TとS/Tの性能を高次元で併せ持つのがU/Tと括る。
4×4
最大主張となるのはスノーフレーマークを取得していること。降雪時における性能が格段に向上。従来品は「OPEN COUNTRY A/T plus」、なのでその性能は当然踏襲。メーカーではA/Tが飽くまでも主戦場、でもプラスしてオールシーズンへも臨む。
「OPEN COUNTRY」シリーズは、1986年に発売を開始して以来北米で高い認知を誇る。「OPEN COUNTRY A/T plus」はオフロード走行に優れたトラクション性能を発揮しつつ、オンロード走行にも高位の静粛性を果たす。
「OPEN COUNTRY A/T plus」にホワイトレターを施す。ホワイトレターは見た目の格好良さに対応する。タイヤのサイドウォール部にブランドロゴ(TOYO TIRES)とタイヤのパターン名(OPEN COUNTRY A/T EX)を白文字で立体的に表示。
本格的オフロード向けSUV/CCV用タイヤを強調。トレッドデザインは悪路走破性のみならず、トラクション性能やブレーキ性能の向上に寄与。オフロードレースでのノウハウを生かした、耐外傷性の高いタフネス構造になっているという。
いわゆるクロスカントリー・ビークル(SUV/CUV)タイプ。オフロードでのトラクション性能と、オンロードでの耐摩耗性能や走行安定性を高次元で両立した新カテゴリータイヤ。当初は軽カーへ向けたサイズ展開ながら最新はそれ以外も対象に。