タイヤの理解を深める為にまずは搭載される性能別に括るカテゴリーの理解が重要です。基本は横軸に相反する性能を有する「スポーツ」と「コンフォート」、その中間が「スポーツコンフォート」。縦軸は上位「プレミアムコンフォート」、下位「スタンダード」。
ミニバン専用となる 「ミニバン」、高性能化が進み人気の「SUV」、オフロードに長けた「4×4」、そして厳密化した低燃費タイヤは「エコ」として配されます。いずれも「性能比較」として特徴を分析、メーカー別の最新ラインアップを掲載します。
カテゴリー別性能比較
スポーツ
スポーツタイヤの特徴は優れたグリップ性能です。スポーツドライビングをメインに、サーキットから街乗りまでをカバーするハイパフォーマンスとして、各メーカーが技術展開のトップに位置付けます。
近年スポーツカテゴリーでは細分化が進みます。一緒くたにして来た製品ラインアップを性能別に括りましょ、というもの。現状、多様性に富んだ展開を「ピュア」・「プレミアム」・「ストリート」の3つに区分けします。

スポーツコンフォート
スポーツコンフォートは、基本設計によりスポーツをベースにしたタイプと、コンフォート(快適性)をベースにしたタイプに振り分けられます。
双方で長所と短所が混在するも、相反性能を高次元で併せ持つオールラウンド性の高さが特徴です。そこから得られる恩恵、相当なものであると考えます。ただカテゴリーとしての注目度は必ずしも高くはありません。

プレミアムコンフォート
走りのクオリティを高める高速安定性と極上の静粛性、そして路面からのショックを吸収し最上級の乗り心を実現するのがプレミアムコンフォートの特徴です。専用と共用、大きく2つの施策が見られます。
専用展開されるのがブリヂストン「REGNO」、ダンロップ「VEURO」、ミシュラン「PRIMACY」、コンチネンタル「PremiumContact」など。対して共用展開は、ヨコハマ「ADVAN」、トーヨー「PROXES」、グッドイヤー「E-GRIP」「EAGLE」、ピレリ「Cinturato」など。

コンフォート
コンフォートは、スポーツと相反する位置付けです。スポーツがグリップなど運動性能を最大の特徴とするのに対して、コンフォートは負荷の大きな運動は苦手としながらも、路面からの衝撃吸収や静粛性など高い快適性能を保持します。
一般にはコンパクトからミドルクラスのセダンやミニバンをターゲットにしながらも、プレミアムへの装着も謳われるケースが多いかな。その為にサイズラインアップの拡大には驚きます。スタンダードも同様ながら、コンフォートはプラスして性能面でも優位。性能とサイズ設定がともに理想的展開にあります。

ミニバン
ミニバンはアメリカの巨大なバンと比べた時に一回り小さい、そうミニだから、が一般的な名称由来です。しかし、現在はファミリーユースから豪華さを備えるプレミアムまで、バンとはかけ離れた魅力多い車種展開を実現します。その一方でふらつきやすくタイヤの偏摩耗を起こしやすいなど弊害も見られます。
それを抑えるには専用となるミニバンタイヤの存在が大きなものになっています。登場から20年を超え世代進化が進み、市場での開発競争はいっそう激しいものに。近年はカテゴリーの中で多様性が見られ、多くのニーズに対応する製品展開へ発展しています。

スタンダード
スタンダードは基本性能をバランスよく搭載する標準モデルです。サイズバリエーションも豊富、軽カーからコンパクトカー、ミドルセダンやミニバンまでターゲット層は拡大しています。
ただラベリング制度のグレーディング追求でコンフォートには及ばず、そこそこに抑えられているのが現状。基本性能の訴えに終始、その分サイズラインアップの豊富さを誇ることで選びやすさをアピールします。

SUV(オンロード)
SUVは車種として世界的な人気ジャンルに変革。最近では高性能スポーツカーにも勝るエンジン性能や、プレミアムセダンのような豪華さ、乗り心地の良さから高級車の位置付けが定着しているものまで多彩です。
その為にSUV用タイヤが果たす役割は非常に重要となっています。ふらつきや片減り、偏摩耗の対策を施し、重量あるボディー支え、乗り心地や静粛性、更にはエマージェンシー的にオフロードもこなす高性能が誕生しています。ラインアップの積極性はカテゴリー随一かと。

4×4(A/T・M/T)
4×4タイヤ(オフロード)の括りでまず主となるのはM/T(Mud Terrain)でしょう。ダートでもマッドでもしっかり路面を掴む本格的な4WDオフロード専用です。
一方、M/Tまではいかないまでもオン・オフ対応を示すオールラウンド、A/T(All Terrain)が存在します。街中での走行も快適性が発揮でき、そこそこワイルドな雰囲気を感じさせ評価の高さを誇ります。

エコ(低燃費タイヤ)
エコタイヤ性能比較としながらも、掲載するのは低燃費タイヤに限定したもの。各製品の転がり抵抗係数とウェットグリップ性能のグレーディングに注目します。
また自動車タイヤ業界の自主的な取り組みとして、UN R117-02が定める車外騒音基準値を満たす「低車外音タイヤ」としてその表示制度を定めます。運用は2023年1月から‥
