ブリヂストンは強大です。ミシュラン、グッドイヤーと並び業界ではビック3、もしくは3大メーカーと呼んでいます。歴史は1930年に前身である日本足袋タイヤ部から始まります。1931年福岡県久留米市にブリッヂストンタイヤを設立。
近年はミシュランとのシャア争いが熾烈。タイヤビジネス誌が公表した2018年の世界タイヤ市場シェアは、1位ブリヂストン、2位ミシュラン、3位グッドイヤー。しかし、2019年は1位ミシュラン、2位ブリヂストン、3位グッドイヤー‥ そして2021年も1位ミシュラン、2位ブリヂストン、3位グッドイヤーでした。
ブリヂストンの歴史をザックリ
ここからはブリヂストンの辿った歴史、沿革に触れたい。社名は株式会社ブリヂストン、本社所在地は東京都中央区、創業者は石橋 正二郎‥
社名ブリヂストンは石橋の姓を英語風にしたもの。当初は「ストーンブリッヂ」だったという。これでは語呂がいまいちなので「ブリヂストン」と逆さまにした。有名ですね。
しかし、当時世界的メーカーであったファイアストンから商標権の侵害で訴えられました。司法闘争の結果ブリヂストンは勝訴、その後1988年にはファイアストンを買収することになります。ファイアストンからすると何とも悲しいかな・・
辿った歴史
ブリヂストンの歴史は1930年に前身である日本足袋タイヤ部から始まります。1931年福岡県久留米市にブリッヂストンタイヤを設立、1942年太平洋戦争時下で社名を日本タイヤに変更します。
戦後1951年にブリヂストンタイヤに復旧。また同年米グッドイヤーと技術に関する提携契約、技術指導を受け同工場ではグッドイヤーブランドタイヤの生産が開始されました。その後1979年に解消しています。
1983年には当時米国第2位であるファイアストンのナッシュビル工場を買収。1984年社名を現在の株式会社ブリヂストンに変更。
ファイアストン買収について少し詳しく。1980年代、日系クルマメーカーの北米進出に伴う国内新車用タイヤ需要の減少などから、ブリヂストン内でも北米への本格的な進出を望む声が高まります。しかし、当時米国系クルマメーカーへ新車用タイヤの納入実績はなし。
そこで候補に挙がったのがファイアストン。1988年1月にファイアストンの全世界のタイヤ事業部門を所有し経営する合弁会社を設立、株式の過半数を取得したい旨を申し入れ、2月にブリヂストン75%、ファイアストン25%の枠組みを決定、これを対外発表へ。
ところが3月、ピレリが突然ファイアストン株式の公開買付けを実施するという敵対的買収を発表。ピレリは買収後、ミシュランにファイアストンの南米機構と米国のクルマサービス・タイヤ小売販売店網マスターケアを売却する、という契約内容が明らかに。
これに対して更に上回る金額で応えることを決定。ピレリは買収を断念。こうして買収が完了しファイアストンは完全子会社化されることに。
1997年F1に参戦し2010年までの14年間に渡り供給を続ける。2008年は東洋ゴム工業と業務・資本提携。なお鳩山一族との関係は超有名、創業者である石橋 正二郎氏の娘が鳩山由紀夫元首相の母です。
更なる認知向上へ新たな施策!
タイヤ業界はビック3によって世界的影響力を示します。国内ではブリヂストンの存在が更に際立ち、右へ倣えというか横並びを感じる時が多い。しかしながらそれでも近年のグローバル戦略では新興国で苦戦を強いられている。その打破としてスポンサーのあり方に大きな変革を果たしています。
注目したのはオリンピック公式スポンサーです。五輪マークが付いたブリヂストンのロゴが新興国でも見られると企業ネームは高まります。更には認知を果たしている地域でも街中に溢れ、直接クルマやタイヤへ興味を示さない層へも十分な宣伝効果が期待できる訳です。
ブリヂストンは国際オリンピック委員会(IOC)と東京オリンピックを含む2024年夏季オリンピックまで、最高位スポンサーである ジ・オリンピック・パートナー(TOP) 契約を締結しています。1業種1社に限定された最高レベルのグローバルスポンサーであり、五輪マークを自社製品の広告などに使用できる独占的な権利が与えられています。
で、いったいどれ程の契約料? 非公開ながら一説では数百億円に上るのでは。10年間で300億円を超すとも。ブリヂストンがF1から撤退したのが2010年、2015年にはMotoGPからも撤退しました。これが意味するのはこんな狙いがあった、と理解しています。
しかし、世界を恐怖に陥れている新型コロナウイルスの影響でその目論見はどうよ?
ブリヂストンタイヤ性能比較
スポーツ
「POTENZA S007A」の役割はプレミアム、そうスポーツでもプレミアムコンフォートREGNOに近い性能イメージ。スポーツとコンフォートに対する極上さ、更には過酷な走行に耐えうる剛性で更にひとつ上の次元へ。
従来同様スポーツカテゴリーにおけるドライグリップの頂点に位置し、ストリートラジアル史上最速を追求 のフレーズも踏襲。Pure Sportを牽引する重要な役割を担う。R=Racing、新たなS=Second/Sportを意味するという。
メーカー主張はカジュアルスポーツを謳う。ストリートスポーツの日常版、とでも言えばいいか。スポーツ走行に対する拘りを持ちつつも、走行環境は街中がほとんど。その中でもキビキビとしたレスポンスの良さやグリップを感じたい。
スポーツコンフォート
「Playz PX」シリーズの最新作、セダン・クーぺ専用と軽・コンパクトカー専用を1本化。疲れにくさけじゃなくて、濡れた路面でもしっかり曲がる、しっかり止まるを追求。クーペも取り込む性格、その主張からキビキビとした走りでロングドライブも期待。
プレミアムコンフォート
プレミアムコンフォート「REGNO GR-XI」が進化、極上性能を更に向上させた「REGNO GR-XⅡ」として登場。キーメッセージは、REGNO FEELING.手のひら一枚分に込められた技術が、圧倒的なパフォーマンスを生み出すという。
軽カーでの静かな車内空間を演出、快適な乗り心地を実現、そしてより長く使えるロングライフの3つを主張。REGNOの意義は 軽カーにも極上性能を。摩耗ライフは「ECOPIA EX20C」と比較して10%向上している。
コンフォート
転がり抵抗係数「AAA」、ウェットグリップ性能「a」は現在ラインアップされる中では最高グレーディングを誇る。転がりにもっとも長けてウェットブレーキに最大の自信を示す事になるかと。ただサイズは限定的で2サイズ、汎用性を示すにはかなり厳しい。
「ECOPIA NH200」は新車装着タイヤと同じく、クルマの性能を引き出すために進化した新しい「ECOPIA」を強調。タイヤショルダー部がすり減り難く、ウェット性能の優位性を掲げ、また静粛性についてもその恩恵を主張。
「ECOPIA NH200」シリーズの一角である「ECOPIA NH200 C」は軽/コンパクトカー専用。ブロック剛性を最適化した新パタン、耐偏摩耗性とウェット性能、更にライフ性能を向上。転がり抵抗6%低減、対摩耗性能25%向上、静粛性15%低減。
ミニバン
転がり抵抗係数「A」、ウェットブレーキ性能「b」と物足りない。しかし、最大の追求性能である静粛性、快適性、運動性能を高位に実現。進化したサイレントテクノロジーが高い静粛性、上質な車内空間を演出する。
ミニバンカテゴリーにおけるスポーツコンフォートの括りに最新技術を投入。疲れにくいを実践するも、雨に強い、長く強い。疲れにくいだけじゃない。を掲げウェット性能向上も強化。サイド部の骨格に高い剛性を確保しふらつきを抑制。
スタンダード
NEWNO はスタンダードの新ブランド、「NEXTRY」の後継。ワンランク上の基本性能とロングライフを兼ね備えているのが最大の主張点。全サイズ低燃費タイヤとして転がり抵抗係数「A」、ウェットグリップ性能「b」を実現。
同社独自の基幹技術である ナノプロ・テック を採用。発熱でのエネルギーロスを抑制し、基本性能を犠牲にすることなく転がり抵抗を低減する。サイズ設定範囲に拡大性を持たせ、多くの車種フォローを可能としている。
SUV
プレミアムSUV向けのグローバル新ブランド「ALENZA」を立ち上げ、第一弾となるのが「ALENZA 001」。低燃費タイヤ化し、しかもプレミアムSUVのスポーティな運動性能を高次元で引き出す。「ALENZA」の響きは懐かしさがあります。かつて‥
「ALENZA LX100」のブランド内配置は、プレミアムSUVスポーツ「ALENZA 001」と並列に位置付けるようになるかな‥ プレミアムSUVコンフォートを主張し共に「ALENZA」のプレミアム化に重要な役割を果たす。
トレッドパターンはSUVオンロード向けに新開発。ブロック剛性を最適化し音の発生を抑制する新パタンを採用。高い静粛性や快適な乗り心地を実現。低燃費タイヤブランド「ECOPIA」のエコ形状も搭載し優れた低燃費性能を実現。
4×4
最大主張は耐摩耗性能と低燃費性能の向上。センターとショルダーのブロック幅を見直し、専用最適配置ブロック でトレッド部の剛性を最適化し耐摩耗性能を向上、オン・オフに求められる性能を高次元で両立。
「DUELER M/T 673」の後継として2013年に投入、3D形状の新パタンでマッド上のトラクション性能、ハンドリング性能の向上を強調する本格M/Tタイヤを謳う。同時にオンロードでの乗り心地や静粛性への配慮も訴える。