MOMOはレーシングドライバー、ジャンピエロ・モレッティによって設立されたブランドです。最も有名にしたのがステアリングかと。レースシーンでの勝利に対して注目が高まり、これを装着したクルマは憧れとなりました。自分のクルマにも装着したいと。
この時期の競合は同じくイタリアのNARDIでは。どちらかと言えば私はNARDI派だったなぁ。特にCLASSICのレザーは非常に好印象で大好き。繊細なNARDIに対してMOMOは重厚なイメージを持っています。
ただクルマにはエアバック装備が標準化、世界的にも安全面での普及が進みます。これによりステアリングを替えること自体が難しい状況になり、アフターパーツとしての注目は下がるばかり。
そこで誕生したのがタイヤです。同社の沿革によると、ブリヂストン・ピレリ・ミシュラン・コンチネンタル等のOEM供給をしているイタリアのタイヤ製造会社 UNIVERGOMMA社の傘下になったのが転機。レースシーンで高い認知を誇るMOMOブランドのタイヤ構築が進んだ、そう新たなMOMOが誕生したのです。
MOMOのラインアップは決して充実、とは言えない。しかしながら相応まで揃える方向付けに興味が広がっています。元来ブランドイメージは高く、認知も進むことで更なる注目が得られるのでは。但し・・
MOMO(モモ)ラインアップ
夏タイヤのラインアップはコンフォートとスタンダード中心の展開です。パーツメーカーとしての特性を活かすなら絶対的なスポーツを投入すべきです。実現に至らないのはタイヤへ完全に向け切れていない、が理由だろうか。
これでは残念、「TOPRUN M-30」をスポーツコンフォートへ配置するもまだ物足りない。ブランド名の認知同様にスポーツ性に優れたタイヤの投入が望まれます。そこで新たに「TOPRUN M-300」を配置し起死回生。
そんな事情からシリーズは「OUTRUN」が中心です。「M-3」はハイパフォーマンスを強調するもコンフォートレベルでの追求に留まります。バランスへ拘る姿勢が優先されています。
一方「M-2」「M-1」は更にスポーツ色が弱まるスタンダードとして、ミドルクラスから軽/コンパクトカーまで2体制でフォローを実践します。追加投入された「M-20」はこのカテゴリーでは最も大胆なパターンで運動性能を謳う。それでも限界があるでしょう‥
SUVはやはりスポーツ色を求めたい。ただ「A-LUSION M-9」は高いグリップ性能とステアリングレスポンスを実現、静粛性にも優れているというからコンフォートレベルと受け止めます。
ということで、コンフォートとスタンダードの評価なら決して悪くない。ただ、いま以上のMOMOを打ち出すには絶対的なスポーツの追求は欠かせない。その実現を果たすなら更なる注目を確実に得ると考えます。
MOMO(モモ)タイヤ性能比較
スポーツコンフォート
「TOPRUN M-30」を上回るスポーツ性に最大の期待。但しピュアスポーツのよう期待をするとトーンダウン。プラスしてコンフォート性能、特に静粛性は見逃せない。これによりプレミアム・スポーツコンフォートの捉え方がフィット。
コンフォートレベルを脱し従来を超えたレスポンス向上に注目。悪条件下でも高いグリップ力とハンドリングの安定性を最大性能として発揮するよう設計されたという。ターゲット車種はスポーツ、プレミアムセダン、そしてSUVまで含める。
コンフォート
高速安定性に優れたハイパフォーマンスタイヤを謳う。高い静粛性と快適性を保持し、スポーツ性能も誇るMOMO最高グレードタイヤのひとつ。トレッド剛性を高めあらゆる路面環境においても確かなグリップ性能を発揮する。
スタンダード
ハンドリングのダイレクト感と走りの安定性をアップデート。製造国を中国からインドネシアへ変更。ライフ性能や低燃費性能においては同様レベルを維持。しかし「M-2」がコンフォート寄りなのに対し「M-20」はスポーツ寄り。
「OUTRUN」シリーズはコンフォートに配置される「M-3」が筆頭となりプレミアムパフォーマンスを強調。対して「M-2」はスタンダードカテゴリーで基本性能を発揮、ミドルクラスを支える性能を主張する。これが役割に対する差別化。
トレッド面は3本溝、狙いはショルダーブロックの幅を確保すること。3本溝によりトレッド面の接地面積を確保、路面接地を均等化、駐車場等での据え切りや街中での小回りで発生する偏摩耗等を抑制。軽カーやコンパクトカーがターゲット。
SUV
MOMOの最適化されたパターン特性をSUVへ向ける。ブランドに対するイメージから大型ボディーの輸入車なども対象。Itaria DesignによるMade in Chinaは認知を高め他製品同様を踏襲、デザインの洗練さと価格の両立を実現。
一見するとオールシーズンを思わせるサイプ構造。実際はそこまで繊細化されたものではないけれど、H/Tに見られるそれとは少しばかり異なる印象。静粛性やウェット性能追及、トラクションと安定性も向上。
タフな機能と重厚なデザインはA/Tの力強さを演出。MOMOの特性を失うことなくA/T特有の多機能性を発揮するデザインはショルダーからサイドまで拘りを強調。レースの伝統に裏打ちされ優れた製品の提供を謳う。革新的で高度さを強調。