SUVにプラスしてミニバンも対象。従来を踏襲し進化
- カテゴリー:SUV(H/T)
- サイズ:16~19インチ
- 扁平率:70~50%
- 発売:2024年3月
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H/Tへ配置。耐摩耗性の向上を謳う。またドライ・ウェットにおけるグリップ力のバランスに長けている。左右非対称のパターンを配置することで、走行性能とハンドリング性能の効果を訴える。
製品情報
MOMO「FORCERUN HT M-8 PRO A/S(フォースラン エイチティー エムエイト プロ エーエス)」は、2024年3月より日本国内でも発売を開始したSUVタイヤです。SUVにプラスしてミニバンも対象にしていますが、ここでは主としてSUVにおける H/T(Highway Terrain)=高速走行対応に括ります。
日本市場におけるMOMOのラインアップは、「FORCERUN HT M-8 A/S」が2022年に投入済み。従いまずは違いがどこにあるのか探ろうかと。そう「PRO」シリーズは何が違うのか?
製造国は「M-8」インドネシア、「M-8 PRO」ベトナムです。価格は225/65R17(2025年1月現在)で確認すると、「M-8」12,500円、「M-8 PRO」13,730円。サイズ展開は「M-8」17~18インチ、「M-8 PRO」16~19インチ‥
製品概要は「M-8」がこう。一見するとオールシーズンを思わせるサイプ構造。実際はそこまで繊細化されたものではないけれど、H/Tに見られるそれとは少しばかり異なる印象。ウェットと静粛性の向上を狙ったのは明らか。
一方「M-8 PRO」は、耐摩耗性の向上を謳う。またドライ・ウェットにおけるグリップ力のバランスに長けている。左右非対称のパターンを配置することで、走行性能とハンドリング性能の効果を訴えます。
因みに「PRO」有り無しの主張を展開する、「OUTRUN M-20」と「OUTRUN M-20 PRO」も製造国はそれぞれインドネシアとベトナムです。「PRO」シリーズはベトナムからの投入が規定のよう。また性能の差は僅か。ただその差を進化として受け入れるべきかと。従い後継としての捉え方にもなると考えます。
MOMOのSUVラインアップには「A-LUSION M-9」が配置されています。オンロード用に最適化されたパターンは、高いグリップ性能とステアリングレスポンスを実現し、静粛性にも優れているというモノ。
一方「M-8」は静粛性やウェット性能の追及です。S/T(Street Terrain)=街中でのオンロード対応も検討してみました。ただ価格面でのあり方がそれに迷いを生じさせます。そこで一応ながら価格面を尊重しH/Tに配置しています。そして「M-8 PRO」はこれを踏襲し進化、迷いなくH/Tへ配置します。
「M-8 PRO」を詳しく。主にオンロードでの快適性と安定性を重視したHTタイヤであり、都市型SUVやクロスオーバー車に最適化されたモデルです。高速走行時の直進安定性や静粛性、また長距離ドライブにおける快適性を高いレベルで両立させています。
トレッドデザインは、左右非対称パターンを採用します。センターリブは太く連続した設計となっており、直進時のふらつきを抑えつつ、ドライバーにしっかりとした路面からのフィードバックを伝える役割を果たしています。
左右で異なるブロック配置を採用することで、OUT側は剛性の高いショルダーブロックを通じてコーナリング時の安定性と接地性を確保し、IN側では細かな溝やサイプによって路面追従性とウェット路面での排水性を高めています。これにより、晴天時でも雨天時でも、しっかりとしたグリップ力とハンドリング性能を維持することが可能です。
快適性への配慮も重要なポイント。走行時のノイズを抑えるために、トレッドブロックの配置には騒音抑制のためのピッチバリエーションが施されており、ロードノイズやパターンノイズの発生を可能な限り低減しています。
加えて耐摩耗性にも優れており、コンパウンドとトレッド設計の最適化によって接地面圧が均等に保たれ、偏摩耗が起こりにくい構造です。これによる効果は寿命にあるかと。ライフサイクル全体を通して安定した性能を発揮し続ける点も、評価点としてプラスになるのでは。
「M-8 PRO」は、見た目にも洗練されたトレッドデザインとサイドウォールのディテールを備えており、MOMOブランドらしいスポーティな印象を与えます。単なる実用性に留まらず、車両全体のスタイルにもマッチするビジュアル性を持ち合わせている点は、デザインに拘るユーザーにも響きそう。
総じてアジアンタイヤにおいてもオンロード使用を主とするSUVユーザーにとって、日常的な快適さと確かな走行性能、そして見た目の満足感までを提供し完成度は高いと思います。