オールシーズンタイヤのラインアップは海外メーカーが本領発揮‥ かなり積極的です。新たな製品投入とサイズ拡大などフォロー体系に進化が見られます。筆頭としてのグッドイヤーに依然として高い注目が注がれます。
ただ国内メーカーも興味をかなり得ているよう。ヨコハマ、ダンロップ、トーヨーのセンセーショナルな投入はユーザー心理をくすぐります。
海外メーカーvs.国内メーカー、オールシーズンについてはこれ非常に注目するところです。
オールシーズンタイヤは最大規模のラインアップ!
グッドイヤー
オールシーズンタイヤ全体ラインアップに触れるなら筆頭としてやはりグッドイヤーからでしょう。ここまで導いた功績は大きい。第3世代に入り「VECTOR 4SEASONS GEN-3」と「VECTOR 4SEASONS GEN-3 SUV」を投入しました。従来品「Vector 4Seasons Hybrid」と「Assurance WeatherReady」も維持。やはり先駆者として最初に検討されるべき製品だと思います。
ミシュラン、ピレリ
ミシュランは2025年、第3世代となる「CROSSCLIMATE 3」、そしてスポーツに特化した「CROSSCLIMATE 3 SPRT」を新たに投入。全天候タイヤとしての枠を超えた存在感を放つ最新世代の製品であり、欧州を中心に評価されて来た「CROSSCLIMATE」シリーズの系譜を更に進化させたモデルです。「CROSSCLIMATE 3 SPORT」は特に高性能車やスポーティな走りを志向するユーザーに焦点が当てられています。
また従来の「CROSSCLIMATE+」を進化させた「CROSSCLIMATE 2」を投入済み。「CROSSCLIMATE 2 SUV」との協調でこのカテゴリーへの意気込みを強く感じます。
ピレリは「CINTURATO ALL SEASON SF3」へ注目します。都市部に住み、年間を通して安全性を必要とする中型車および小型車のドライバー向けに開発されたという。またSUV用「SCORPION VERDE ALL SEASON SF」もラインアップします。
コンチネンタル
コンチネンタルは2021年3月に投入された「ExtremeContact DWS06 PLUS」を掲載。ただこれをオールシーズンタイヤとして括ってよいものか、迷いは正直あります。ドライ&ウェット路面を問わないオールラウンドスポーティタイヤを謳うメーカー主張は正直半端。また近年オールシーズンで主張の中心となる冬性能が非常に微妙‥
そしたら純粋な「AllSeasonContact」を2023年2月に投入。ところが、驚いたのは僅か1年で新製品にチェンジ。2024年2月に「AllSeasonContact 2」が新たに登場しました。この動きは、日本でも普及拡大のきっかけになり得ると考えます。
ヨコハマ、ダンロップ、トーヨー
反応したのは海外メーカーに留まらず、ヨコハマ、トーヨー、ダンロップまでもが市場へ参戦します。
ヨコハマは欧州で先行発売を経た「BluEarth-4S AW21」を国内でも2020年1月から発売開始。現在では完全定番化しています。そして2023年10月からSUV用として「GEOLANDAR CV 4S」を投入。多様化するSUVユーザーのニーズをより満たすラインアップを実現します。
そしてダンロップ、2024年に「SYNCHRO WEATHER」を投入。当初は40サイズをラインアップ、2025年は76サイズまで拡大しました。また低燃費タイヤ化を実現しており、しかも、ドライ・ウエット・氷上・雪上などのあらゆる路面にシンクロする、次世代オールシーズンタイヤを謳います。かなり注目では!
トーヨーは2015年に北米や欧州などで先行投入済みのSUV用「CELSIUS」を国内へも決断しました。SUV人気にまず対応しようということかと。その後としてこの製品を乗用車用としても対応可能と謳っています。
ブリヂストンは‥
実はブリヂストンもラインアップとして備えます。しかしながらメインは海外。国内では地域性により路面環境の変化が大きいし、何よりもアイス路での確実な効きを重視。テストマーケティングとして一部で販売するも拡大には至りません。
オールシーズンタイヤ性能比較
ヨコハマ
乗用車用
2018年のジュネーブモータショーで発表、その後欧州で先行発売を経て国内投入へ。センター部から左右斜め方向に広がるV字の ダイバージェントグルーブ の方向性パターンを採用。雪路とウェットで安定性を保持、ドライおよび耐摩耗性をも確保。
SUV用
「GEOLANDAR」シリーズにオールシーズンをラインアップ。世界的に需要が増しているクロスオーバーSUV向けに開発。多様化するSUVユーザーのニーズを満たす戦略。先行する乗用車用「BluEarth-4S AW21」とは一線を画し専用への流れを構築する。
ダンロップ
乗用車用
あらゆる路面にシンクロする、次世代オールシーズンタイヤ。主張はウェットグリップ性能と氷上性能。新技術の採用によって、サマーとスタッドレスの性能両立を主張。タイヤ自らが適した性能に変化、夏も冬もより安心して使えるストレスフリー。
ダンロップもいよいよ国内でオールシーズンタイヤを投入! ドライ、ウェットから雪道まで様々な路面で確かなグリップ力の発揮を謳う。コンパウンドは専用開発、常温で夏タイヤと同程度の硬さを持たせながら低温下でも硬くなりに難い特性を実現する。
トーヨー
乗用車/SUV用
「CELSIUS」はトーヨーがSUVへ向けたオールシーズンタイヤ、というのは初期のこと。最新はほぼほぼ全車種対応を強調。2015年に北米や欧州などで先行投入済み。オールシーズン先進市場で相応の支持を得たことから国内導入に踏み切った。
グッドイヤー
乗用車用
先駆者であるグッドイヤー、相応の製品変遷を経て第3世代となる「GEN-3」に進化。プレミアム対応を実現しそれにふさわしい性能を強調。雪路面ではより強固な走り、夏場でもプレミアムコンフォートに接近したりと乗り心地を果たす。
特殊コンパウンドは季節を問わず多彩な路面状況に対応、冬の低温時も硬くなり難い特性で冬タイヤの性能も実現。M+S に加え、スノーフレークマーク が刻印。2016年国産となり新たに SNOW マークが追加刻印、Hybrid となる。
SUV用
欧州で既に発売済み。それをもって国内投入へ踏み切ったもの。ご存じの通り先駆者であるグッドイヤー、相応の製品変遷を経て今回第3世代となる「GEN-3」に進化。プレミアムを謳い従来を確実に超える性能に自信を示す。
SUV専用のオールシーズンタイヤ。対象にミニバンも取り込みSUVとの共存を果たす。乗用車用「Vector 4Seasons Hybrid」と合わせトータルでのフォロー体制を強調。しかしながら新たな策として「GEN-3」シリーズへバトンタッチかと‥
ミシュラン
乗用車用
雪も走れる夏タイヤを更に強調。またオールシーズンとは示さず全天候型タイヤと主張。M+Sにプラスしてスリーピークマウンテンスノーフレークマークが刻印され、高速道路の冬用タイヤ規制は原則通行可能。
SERIES(シリーズ)はタイプ別に3種をラインアップ、軽・コンパクトカー用の「CROSSCLIMATE」、セダン用「CROSSCLIMATE+」、SUV用「CROSSCLIMATE SUV」となる。コンセプトは 雪も走れる夏タイヤ。
SUV用
「CROSSCLIMATE 2」のSUV専用。従来品「CROSSCLIMATE SUV」と比較して更なる性能向上を実現。SUVユーザーが求めるニーズに応え季節を問わない優れた機能性と利便性を提供。シビアスノータイヤ要件に適合、勿論「M+S」も刻印。
ピレリ
乗用車用
年間を通して安全性を必要とするドライバーへ向ける。ドイツの独立認証機関である「DEKRA」のテストによって、複合ブレーキで高評価を獲得。また「TUV SUD」からも、様々な走行状況における強みを評価され認定マークを授与。
「Cinturato」シリーズの一角に属するオールシーズンタイヤ。気温が低い冬はトレッドパターンの溝が開き雪路性能が向上。一方ウェットおよびドライ時には溝が閉じてブロックが固まりグリップへ貢献。概ね温暖な気候の下で走行するドライバーに最適。
SUV/4×4用
従来品「SCORPION VERDE ALL SEASON」の雪路性能が一段と向上、3PMSFが搭載されウィンタータイヤとしての認証クリア。トレッドパターンは従来を踏襲するもコンパウンド系に最新技術を取り入れたことで進化を果たす。
コンチネンタル
乗用車用
天候に左右されない安全性とドライビングの楽しさを強調。乗用車、SUVからEVまで最適なオールシーズンの環境対応を謳う。また従来品から耐摩耗性と転がり抵抗を大きく向上し、タイヤ寿命の向上を果たしているという。
オールシーズンとしては物足りない‥ けれど従来からスノーとウェットブレーキ性能を大きく向上しているし一応ここに括る。ただ主張は従来同様ドレスアップスポーツだし、スポーツへも同時掲載しメーカーの意向を汲む。