総合バランスを追求した実用型のエコタイヤ
- カテゴリー:コンフォート
- サイズ:14~17インチ
- 扁平率:65~45%
- 発売:2025年6月
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アジアンタイヤの中でも、特に日常使用における総合バランスを追求した製品であり、メジャーメーカーが提供するプレミアムツーリングに迫る快適性と安全性を強調する。
製品情報
RADAR「Dimax TOURING(ディーマックス ツーリング)」は、いわゆるアジアンタイヤの中でも、特に日常使用における総合バランスを追求した製品であり、メジャーメーカーが提供するプレミアムツーリングに迫る快適性と安全性を強調します。
単にコストパフォーマンスの良さだけではなく、日常生活で感じる乗り心地や静粛性、さらには雨の日の安心感までもきちんと意識して開発されている点が特徴的です。
サイズは 17 ~ 14インチまで相応をラインアップします。2025年6月から国内への導入を開始しています。製造国は中国です。
「Dimax TOURING」の最大主張はエコ性能です。しかしながら、国内導入に際して低燃費タイヤの規定を満たすことは実現していません。また欧州のラベリング制度などでトップクラスの燃費評価を獲得している製品でもなく、燃費性能を最優先に求める人にとっては、やや物足りない側面もあろうかと。
飽くまでも価格と基本性能のバランスの中で、燃費にもある程度配慮したという位置付けであり、燃費性能を突出した長所としている訳ではありません。一定の燃費貢献と環境負荷低減を意識し、実用エコタイヤという位置付けにあります。
とは言え、それでも声高に謳うのはエコ性能です。その核心となる転がり抵抗の低減は、比較的低転がり抵抗を実現する為に、トレッドコンパウンドに新技術が採用されています。
コンパウンドの内部摩擦を抑える設計により、エネルギーロスの軽減に繋がり、結果としてクルマの燃費改善に一定の貢献を果たします。
更に、トレッドデザインによる転がり効率も考慮されています。タイヤが路面と接する面積を最適化し、余計なエネルギー消費を抑えるリブ設計が採用されており、これが転がり抵抗の低減に寄与しています。
パターンも直進性を優先し、路面との摩擦ロスを抑えつつも、ウェット性能を両立するバランス型デザインになっています。この点でも、過度にグリップを追求したスポーツ系に比較すると、燃費に優しい仕様と言えそうです。
また、エコ性能の一環としてタイヤの軽量化も重要です。「Dimax TOURING」は構造的に比較的軽量に仕上げられており、バネ下重量が抑えられ、加速や減速時のエネルギー消費が若干改善される方向に作用します。軽量化はタイヤの燃費貢献に地味ながら確実に効果があり、実用面でのエコ性能に繋がっているという訳です。
一方ウェット性能は、4本の太い縦溝を有し、そこに斜め方向のラテラルグルーブを組み合わせることで、優れた排水性を確保しています。このデザインは単に水を逃がすだけでなく、タイヤが路面と常に適切に接地し続けることを目的としており、ウェット路面での制動距離短縮にも寄与しています。
加えて、ウェット時にありがちなグリップの急激な低下を防ぐ為に、トレッド面のコンパウンドは低温時にも硬くなりにくい材質が使用され、安定した摩擦力を維持するよう調整されています。
ドライ性能においても、日常使用の範囲では不足のないグリップ力を確保しており、街乗り、高速道路、郊外のワインディングロードといった一般的な使用環境では安心して走行出来そうです。
急激なスポーツ走行や過激なブレーキングを求める用途には向いていないものの、通常の加減速や穏やかなコーナリングでは非常に安定した挙動を示し、運転に不慣れなドライバーでも扱いやすい性格を持っているのでは。
メジャーブランドと比較した場合、サイズによっては半額近い価格で購入出来ることもあります。それにもかかわらず、上述した性能は重要要素として一定の水準をクリアしており、コストパフォーマンスの高さは特筆に値すると思います。
「Dimax TOURING」は一般性能において非常に優れたバランスを持ち、日常用途に適した実用型の製品です。派手さはないが、静かで快適で長持ちする、そんな堅実な選択肢を求める人に強く支持されると思います。