コンフォートながらもスポーツ寄りを主張
- カテゴリー:コンフォート
- サイズ:20インチ
- 扁平率:30%
- インプレッション募集中
スポーツセダンやクーペなど走行性能を意識したクルマとの相性良し。一定の応答性やグリップを求める人に最適。そこそこ走れて、見た目もスポーティさを提供するバランスの取れた選択肢。
製品情報
MINERVA「F105(エフイチマルゴ)」は、欧州の走行環境に対応することを目的としつつも、同時にグローバル製品としての主張を展開します。「F105」に代表されるMINERVAの製品群は、アジア(主に中国やタイなど)のOEM工場にて生産されることで、製造コストを抑え一定の品質を保ち、欧州を中心に世界市場へ流通しています。
このような背景を持つ「F105」は、日本市場においてもアジアンタイヤの代表格としての知名度を抱かせます。明確に欧州系スポーティモデルを意識しているという。ただ後述するけれど、カテゴリーはコンフォートに配置します。従い、コンフォート内においてスポーツ寄りと言う意味合いになろうかと。
サイズ展開は現状最小レベルに留まります。しかしながら、今後への拡大は大いに期待されるところです。
因みにだけれど、グローバルにおけるサイズは15 ~ 20インチまで整い、幅広い車種対応が可能です。また速度レンジもT(190km/h) ~ W(270km/h)までラインアップされており、欧州で求められる高速度域での安定性にも対応しています。
さて、MINERVAのコンフォートには「F209」も存在します。これとの違いはどうよ? 気になります。見た目こそ似通っているものの、その設計思想と用途は明確に異なっています。
「F105」がスポーティな走行性能を重視しているのに対し、「F209」はよりコンフォート寄りを主張。静粛性や乗り心地、経済性といった日常使用での快適さに重点を置いている訳です。
両者は、同じ価格帯の中で異なるユーザーニーズに応える、いわば兄弟的な関係にあるのですが、基本設計やトレッドパターン、そして走りの質は大きく異なっています。
まず「F105」は、左右非対称パターンを採用した典型的な欧州スタイルのスポーツ系を採用します。OUT側は剛性が高いショルダーブロックを採用し、よりコーナリング時の安定性を追求。またIN側の溝配置で排水性を確保しています。
ステアリングレスポンスはシャープで、高速走行時の直進安定性や応答性にも優れ、一定の走りの高さを狙っています。一方で路面からの衝撃がダイレクトに伝わりやすく、静粛性や乗り心地はそれほどでも‥
これに対して「F209」は、トレッド面全体に渡って均等に配置されたブロックと複数の細かいサイプによって、快適性や静粛性を重視した設計になっています。
直進安定性よりも、路面からの微細な振動を吸収し、長距離ドライブや街中での運転時に快適な乗り味を提供することに重点が置かれています。走行中のノイズも比較的低減されているよう。つまり、運転操作に対する反応が穏やかで、どちらかといえばおおらかな性能になるかと。
更に、コンパウンドの性格も異なります。「F105」はやや硬めのゴムを用いることで耐摩耗性とスポーツ走行時の路面との密着力を重視しています。対して「F209」は柔軟性のあるコンパウンドを採用することで、しなやかに路面に追従し、走行時の突き上げ感を減らす工夫がされています。
「F105」は、スポーツセダンやクーペといった走行性能を意識したクルマとの相性が良く、タイヤに一定の応答性やグリップを求めるユーザーに適しています。走ることを少し楽しみたい人向けです。そこそこ走れて、見た目もそれなりにスポーティさを求める人にとって、非常にバランスの取れた選択肢になります。
翻って「F209」は、コンパクトカーやファミリーカーなど、快適性と安定感を重視したクルマにマッチしやすく、快適性を求めるドライバー向けとなります。とにかく快適に移動したい人向けです。
MINERVAのコンフォートは双方で棲み分けがなされており、選ぶ基準は走りの質なのか、快適性なのかによって変わってくると思います。