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アジアンタイヤは価格重視から品質勝負へ

 アジアンタイヤは、安かろう悪かろうじゃない。最近はむしろコスパで勝負、特定性能が凄いみたいな個性派も増えています。それでもやはり最大評価を得たのは価格かな。その上でデザイン性やラインアップの豊富さなどを誇ります。スポーツ特化、静粛性実現、耐久性重視など、ユーザーニーズに応える製品が増えています。

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アジアンタイヤは何故に安価? コスト構造の違いが大きい

 アジアンタイヤはメジャー製品の半額、かつては1/4と言われた製品も存在します。価格重視の展開は何故実現出来たのでしょうか。

 製造コストが圧倒的に安い。労働賃金が安い国で生産している。工場用地代、エネルギーコスト、物流コストも日本や欧米よりずっと低い。設備も先進国の中古ラインや、シンプルな自社ラインをうまく活用している。つまり、製造コストそのものが安いから販売価格も自然と安く出来るのです。

 また開発費が合理化されており、超ハイテクな素材開発や複雑なパターン開発にはそこまでコストをかけていない。逆に標準的な性能をコスパ良く実現することに特化している。更に十分使える標準技術をベースにコスト重視で設計しています。

 巨額の広告宣伝費もほとんど使わない。ブランド宣伝コストが激安です。これも価格に転嫁しなくていい。だからブランド価格の上乗せがない、つまり価格がダイレクトに安いことになります。製品そのものにコストを集中できます。

 一説だけれど、メジャーメーカーは売上の5~10%以上を広告・マーケティング費用に使っている。対してアジアンタイヤは売上の1~3%程度とも言われます。

 製品種類を絞りラインアップを最小化、大量生産でコストダウンを図ります。メジャーメーカーだと、サイズごとに微妙にゴム配合やパターンを変えたりする。アジアンタイヤメーカーはベースモデル1種類を製造し少しだけトレッドパターンを変更、各国向けにカスタマイズする。従い設備を細かく変えなくていい。材料管理が楽になる。これで1回の生産ロットが超巨大となりコストが劇的に下がります。

 輸送方法はコンテナ輸送に最適化しコストカットしています。さらに、港の近くに工場を建てて、輸送コストを抑えるケースもあるかと。それにより世界中に展開出来る。ちゃんと使える実力を持ちながら、無駄なコストを徹底的に削る。従いここまで価格が下げられるのです。

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品質向上の実現

 アジアンタイヤのターゲットが新興国市場から世界市場へシフトしています。かつては東南アジアや中東向けに安さ重視で製造していたけれど、今は北米、欧州、日本などの厳しい市場に売る為に品質を底上げしています。だからきちんと製造しないと売れない時代になっています。

 大手グローバルクルマメーカーの新車装着(OE)需要を呼び込みました。成長著しいクルマメーカーが自社車両にアジアンタイヤを標準装着し始めた。さらに、欧州車の一部グレードにもOE採用が出ています。

 新車メーカー基準は超厳格(耐久試験・高速試験・温度試験など)、これに合格しないと採用されません。結果として、タイヤの製造技術・品質管理水準が飛躍的に向上しています。

 また技術提携・人材登用を進め、先進国メーカーとの技術提携が進んでいます。最新鋭の製造ラインを導入、設備投資を大幅に強化しました。ロボット+自動制御ラインを使った一貫生産体制が主流になっています。加硫や重量バランス測定も全数検査を導入する工場が増えています。これらによって製造のばらつきが減り、組み付け精度や耐久性が劇的に向上しました。

 ネットレビュー社会になった影響で消費者の目が厳しくなっています。粗悪品が出ると、SNSやレビューサイトですぐに拡散されてしまう時代です。安いけど怖いという評判が立つと、ブランドごと沈むリスクが高まります。だから、メーカー側も安心・安全ラインを守ることを最優先にするようになった訳です。

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安物というマイナスイメージが一部に残る

 アジアンタイヤが日本市場に進出し始めた時、品質はまだ不安定でした。その悪評が根強い印象もあります。粗悪コピー品のイメージが強く残っており、正直優良ブランドといまだに存在する粗悪なタイプが混在しているのも一因になるかと。

 更には性能ラベリングや実走行データが、メジャーメーカーほど細かく紹介されないこともあります。これらの問題がアジアンタイヤ=安かろう悪かろうの印象を強くしています。

 価格と品質は必ずしも比例しない。安い=品質が悪いというイメージが、消費者の心に深く根付いています。しかし、進化によってこの法則は必ずしも当てはまらなくなっています。

 とは言え、国産ブランドに対する信頼感は高い。特に日本の消費者は、ブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップなど、長年の信頼があるブランドに強い忠誠心を持っています。

 これらのブランドは長年に渡る実績があり、競技用タイヤや研究開発に莫大な投資をしてきました。消費者がアジアンタイヤに対して大丈夫かな? という不安を感じる理由の一つに、このあたりの比較も大きな要因になっているのでは。

 今でもちょっと心配‥って思う人が一部に残るのも事実かと。でも、ちゃんと調べて選べばコスパ最強な選択肢になり得る時代になっています。

市場での評価は向上

 最新のアジアンタイヤ事情は品質を大きく向上させており、価格に対して十分に実用的と評価されることが増えています。

 一部のアジアンタイヤメーカーは、世界のタイヤ市場でトップ10入りしているか、目前に迫っています。これらのメーカーは、もはやアジア地域だけで売るレベルではなく、世界基準の競争をしているプレーヤーになっている。世界で普通に選ばれるトップブランドに育ってきたのです。

 その結果、

・普通の街乗り、通勤、週末ドライブ用として問題ない
・価格を抑えつつ新品タイヤを履きたい人には最適
・本気のスポーツ走行でも対応できるモデルが出てきた
・超高級志向じゃなければ、もう粗悪品とは呼べない
・賢く選べばコスパ最強のタイヤ選びが出来る

 アジアンタイヤは、もはや安物買いではなく賢い選択肢です。これが今のリアルな立ち位置です。コスパ最高 × 普通使いなら優秀 × ちゃんと選べばハズレなし。

それでもまだ一部に残る不安

 2000年代初頭、アジアンタイヤの一部は品質管理が甘くトラブルも実際に報告されていました。なので、格安タイヤは危ないという評判がネットや口コミで広まり、先入観として定着しました。

 日本や欧米の人々にとって、聞いたことのないメーカーは不安の対象です。一部は浸透するも、それ以外のブランドは無名の印象が強かった。結果として、安い=怪しという連想が生まれやすい。

 価格の安さも、なぜここまで安いのか? という疑問が信頼感を下げる要因になりました。実際はコスト構造や広告費の違いなのに、それが十分伝わっていないのです。

 そこからようやく既述したような受け入れとなります。但し、課題は未だ残ります。例として挙げるべきかと。

 正直に言うと、メジャーのプレミアムタイヤに比較しやっぱり劣ってしまいます。超ハイスピード域での安定感は差が出ます。一部底辺のブランドは、品質にバラつきがある。つまり、一般使用では全然問題ないけれど、超高性能を求める時は明らかな差があります。

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