タイヤチェーン比較(選び方) 2019-2020

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 スタッドレスタイヤを装着することで、冬の雪道をすべて快適安全に走行できる訳ではありません。万能な印象ですが急な長い上り坂や下り坂、テカテカのミラーバーンなら危険な時が多いのです。

 特にFR車は、FF車そして4WD車に比較して走破性は乏しい。そんな時、スタッドレスにもタイヤチェーンを備えておくことで安全性、安心感が高まります。また、突然の降雪対応や年に数回スキーなどへ行く可能性がある、という程度ならチェーンの方が何かと便利かもしれません。

 スタッドレスタイヤはその性能が飛躍的に向上しています。しかしながら、豪雪時にはチェーンが勝ることもあるんです。それぞれのプラス、マイナスを判断し、利用環境によって的確な選択をしたいものです。

 チェーンは装着の面倒臭さで敬遠する人もいます。でも最新ならジャッキアップ不要で装着簡単、乗り心地も快適です。最新技術の性能は今までの見方が覆されます。

(2019.9更新)
【TOPICS】

タイヤチェーン性能比較

 最新タイヤチェーンに関する、タイプ別製品詳細情報です。タイプによって異なる特性や装着方法など、いろんな観点を織り交ぜオリジナル企画でお伝えします。

最新チェーン事情は、非金属チェーン、金属チェーン、そしてタイヤに被せる布製カバーの3つで定着!

最新事情

 チェーンはタイヤに装着することで凹凸が出来て大きな摩擦となります。これにより氷雪路面でグリップし滑りを防ぐことが可能です。タイプは大きく分けてニッケルなどを利用した「金属チェーン」とゴムや樹脂などを利用した「非金属チェーン」、そして最近では「布製タイヤカバー」も普及しそれぞれに特徴があります。

非金属チェーン

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 非金属チェーン、一般にはゴムや樹脂を素材としておりゴムチェーン、と呼ばれることも。樹脂はいくつかあるけれど、近年はポリウレタンエラストマーを採用するのが増えているよう。弾性、強度性、低温性、耐摩擦性、耐候性、耐油性などを特性とし、様々な形状に加工することが可能です。

 チェーンに採用される要因は主に強度、低温、耐摩耗かと。マイナス20℃の極寒でも固くならず切れ難い。冬製品にとっては非常に重要なこと。高性能への実現に大きな役割を果たします。また加工のし易さからタイヤを包むネット型や、全体をいくつかのブロックに分けて包み込む分離型などコンセプトに沿う様々な形状が可能です。

 トレッド面は、アイスバーンで強力なグリップ力を発揮するスパイクピンを装填します。超硬材質&マカロニ型、更に充填数を増やすなど、厳しい冬の路面に対し確実に食い込みグリップし走行安定性を実現します。

 スパイクピンと言ってもチェーンの性格から、雪の無いドライ路では取り外すため、かつてのスパイクタイヤのような公害問題への懸念はありません。メーカーによっては 取り付けるスパイク と表現しているところもあるよう。正にその通りでは。

 そして走行時のガタガタ、そうチェーンのイメージに付きまとう乗り心地の悪さが改善されているのも見逃せない。素材の特性とデザインの最適化により、乗り心地ばかりではなく静粛性も随分向上しています。どれも同じように見える構造ながらメーカー間の差は大きい。差は効き、そして快適性への違いとなって表れます。

 また装着の容易さ、これ非金属チェーンにとって譲れない特性のひとつです。全体形状の特殊性から実現することですが、以前はゴムバンド式やフックによる固定が一般的。対して最新は最小レベルのロック機構を採用し、僅かな力で面倒な締め上げとロックを同時に完結します。

 寿命も実は長いのが特性として挙げられています。モノによるけれど金属チェーンに比較して5倍もの耐久性を誇る製品も登場。いずれも素材の先進性が果たす結果かと。

 このシステムは締め付け部品がホイールを跨ぐことがないので、ホイールを傷つける懸念が最小化出来るのも大きい。但し価格的にワンランクアップするのが難点かな。それでも注目は随一だしまず検討される第一候補です。

布製タイヤカバー

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 近年新車の純正品扱いにもなっている布製タイヤカバー、布製タイヤすべり止めとも言われるか。布と言っても撥水性・通気性に優れた、特殊合成繊維であるポリエステルなどの専用素材です。

 普及要因は非金属チェーンを上回る装着の容易さであり、タイヤに被せるだけのお手軽さが受けた結果でしょう。北欧のノルウェーで開発された「オートソック」が先駆けになるのかな。

 またミシュランが開発したというテキスタイルネットタイプのカバー、一見その形態からネットタイプの非金属チェーンをイメージさせるも、素材はアラミドファイバーを含む複合繊維素材で、基本的に布製タイヤカバーに属します。など近年個性化した製品も出現しています。

 装着はいずれも非常に簡単。タイヤに被せるだけですから。まず上半分を被せたらタイヤ半回転分だけ移動、残り半分を被せれば完了です。センターがズレていても走り出せば遠心力によってしっかりと馴染じみます。逆にしっかり装着されるので、外す時の方が時間が掛かるかも。

 トレッド面は高いトラクションを得ることが出来るようリブ(畝)構造を採用、サイドも強度の高い特殊合成繊維です。効きは一時のエマージェンシー、というレベルはとうに越え、限界距離範囲内で高い対応性を示します。雪路、アイスバーン共に安心感が持てる。深雪に対しては慎重さが求められるも、それでも全体バランスはかなりいい。

 寿命は概ね時速50km未満厳守なら、乾燥路面のみの使用で50km以上、雪道で100km以上の走行が可能。但し、その性格から使用が進めば従来の金属や非金属チェーンと比べ明らかに性能劣化は進みます。

 収納は極めてコンパクト、畳んで専用ケースに入れるだけのこれまた簡単が受けているかと。万全を期すなら、使用後に水洗い、乾燥させればベストです。

 但し「高速道路のチェーン規制時には現場係官の指示に従ってください」という表示が。場合によってだけれど、係官の判断次第で最悪は通行出来ない可能性があるという。残念、これがチェーンの位置付けにやや曖昧さを残すところです。

金属チェーン

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 金属チェーンの形状は、亀甲型(亀の甲羅:近年はダイヤモンドパターンとも言われる)やラダー型(ハシゴ)があります。安価な製品にはラダー型が多く、横滑りにやや弱さが。対して亀甲型なら縦横への効きを高め走行への安心感がグッと高まります。

 寿命と効きに高度な信頼性を得るのが金属チェーン最大の特徴かと。しかし、非金属や布製カバーの進化はかなりのもの、当初指摘されたマイナス面も改善が進みます。ならその差は無くなっている? いや金属タイプも同様レベルで進化しており相当な域に到達しています。

 金属チェーンの素材で代表的なものは、ニッケルクロムモリブデン合金など。熱処理によって高強度に調整可能、最高クラスの強度にまで実現できるほどだという。航空機に多用され、またエンジン部品としても使われるケースも。

 全体はこれを素材とするリングで構成され、標準9mmに対して10mmを採用する製品も出現しています。耐久性と効きへの効果は抜群です。更には従来のダイヤモンドパターンからNEWダイヤモンドパターンへ進化、直進安定性、横揺れ・横滑りを防ぎ、強いグリップ力を発揮します。

 懸念される乗り心地、その振動から金属タイプが最も不利と言われています。しかも、シャッカ、シャッカ、シャッカ‥音もうるさい。これを覆すほどの進化は無理だけれど、最新パターンで改良が進みます。フィット性を高め、剛性アップが乗り心と静粛性にも改善を施します。

 また取り付けの煩わしさも懸念材料かと。これに対し訴えを強化するのは、ジャッキアップ不要でクイック装着の実現です。製品により30秒装着を謳うものまで出現しています。

 ただ取り付けには注意しないと。装着の緩みや破損などがあると車体に傷が付いたり、ブレーキホース等に巻き付いて損傷させなど思わぬ事故に繋がる可能性があります。まぁ他のタイプでも不完全な取り付けは同様の懸念に繋がりますが。

 実は最も売れているのが金属チェーンだという。2016年度の販売数は金属製チェーンが約40万ペア、非金属製チェーンは約24万ペアだそう。非金属製に比較して流通量、そして手頃な価格の製品が多い為では。

JASAA認定

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 JASAA認定タイヤチェーンとは、JASAAが認定しているタイヤ滑り止め装置のこと。タイヤ滑り止め装置、いわゆるチェーンです。認定されると「S」マークが表示されます。「S」マークはSafetyの頭文字、安全に対してお墨付き、と捉えて良いかと。

 JASAA(ジャサ)とはどんなところ? JASAA(一般財団法人日本自動車交通安全用品協会)は、Japan Automobile Traffic Safety Accessories Association の略称です。タイヤチェーンのうち、非金属製タイヤチェーン及びケーブル式タイヤチェーンについて、性能に関する基準を作成、その性能の審査を行い合格品について認定を行います。

 協会内に滑りに関する学識経験者、交通に関する行政機関の職員等で構成する「認定委員会」を設置し、認定委員会が中心となり、基準の作成及び実車走行試験を行い、認定を行っています。認定された商品は、収納ケースの外側に「S」マークを、滑り止め装置本体には認定票が表示されます。

 「S」マーク製品は、群馬県と新潟県をつなぐ日本一長い関越トンネル(10km以上)も、装着したままで走行することが出来る(係員の指示を守る)など、以下のような特徴を備えています。

1、道路の破損が少ない
2、着脱が容易
3、滑らかな走行
4、アイスバーンに強い
5、600km以上の耐久性
6、高速道路の本線やインターチェンジの坂道をすべてクリア
7、関越トンネルを装着したまま走行できる

 この特徴を得た製品がJASSA認定品となる訳です。注目するのは非金属製タイヤチェーン及びケーブル式タイヤチェーンと限定していること。

 非金属はゴムやウレタンを利用したチェーンです。対してケーブル式は金属に括られますが、一般的なリングを繋ぐ亀甲パターンとは区分けし、接地部を構成するのはスプリング、ワイヤー、ケーブルなど。600km以上の耐久性が認定要件のひとつとなっており、ここに絡むところなのでは。

 なおJASSA認定品メーカーと製品を一部示すと以下の通りとなります。

・合同会社アイコ  FEC ECOMESH Ⅱ
・株式会社カーメイト  バイアスロン クイックイージー
・株式会社コイズミ  イエティ スノーネット
・株式会社ソフト99  救急隊ネット など

 チェーンの購入条件としてJASSA認定品は信頼性が高まります。ただこの認定品でないものが安全性に問題あり、という訳ではありません。今人気の布製タイヤカバーは認定にはなりません。また国際的な第三者機関による認定を謳う製品もあります。

【公式】一般財団法人日本自動車交通安全用品協会

チェーン Vs.スタッドレス

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 スタッドレスタイヤとチェーンはどちらがいいのか? という問いにはどう答えるべきか。どちらでも買える、というのなら迷わずスタッドレスを勧める。その理由は優位性から!

 快適性そして雪が降る度に装着する手間が必要ないこと。最新なら夏タイヤに迫る低燃費性能やドライ性能も高度化しています。乗り心地と静粛性も優れています。また雪の無い冬の路面では、柔らかいゴムの特性から夏用よりもグリップ効果が得られることで安全性が高まります。そして何よりも、アイス、スノー、シャーベットなど変化する路面環境に対応する性能を備えています。

 マイナスは高価なこと。そして氷雪路での絶対的な効きは劣るかな。使用しない時の保管場所も必要です。

 一方チェーンはどうよ? アイスとスノー、特に深雪ではスタッドレスタイヤよりも大きな効果を発揮します。走破性というべきか、これが高い。アイスでも抵抗の大きさから有利では。非金属製タイプの場合、トレッドには数多くのスパイクピンが装填されており効きを高めます。更に比較すれば安価、使用しない場合はトランクに収納可能。

 マイナスは装着の煩わしさ、常に着脱が必要ですから。また装着時は乗り心地の悪さ、音も大きい。寿命の点でも厳しいかな。

 それぞれに優位性と劣位性があります。居住地域によって使い分けるべきでは。ただ市場はスタッドレスタイヤが圧倒的。クルマにとって重要な部品となるタイヤだしこれが無いと走らない。そのことからも違いは大きい。チェーンは飽くまでもエマージェンシー(非常用)としての役割に徹します。

 発展的にはこう考えます。スタッドレス+チェーン=完全。最大ピンチならこの可能性を求めたい。スタッドレスタイヤ装着でもトランクにはチェーンを備えておく。日常はそれぞれのプラスとマイナスを理解、利用環境により選択したい。

基礎知識

4WDの装着はどっち?

 チェーンは駆動輪へ装着します。FFなら前輪、FRなら後輪です。では4WDは4輪全部へ装着するの? いやいやそうではないでしょう。前輪のどちらか1輪と後輪はそれに相対する1輪で前後計2輪へ装着する‥ まさか! トルク配分が大きい方に装着する、が一般的考え方になるかと。

 明確なのはクルマの取扱説明書を確認すること。取扱説明書って意外と見る人が少ない。でも例えばタイヤの適正空気圧や交換時のナットを締め付けるトルク配分など、重要な情報が記載されています。チェーン装着に関しても記載があるはず。

 で、身近に4WDはないし・・ いやありました。実家の軽トラ ホンダ「アクティ」は4WDだ。どちらに装着するか取扱説明書を確認してみました。

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 それによると「タイヤチェーンは、2WD車、4WD車ともに後輪に装着します。前輪にはタイヤチェーンを装着しないで下さい。」

 そうホンダ「アクティ」なら後輪のみ。でも軽トラなので乗用車と異なるのでは?

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 一応愛車アコードの取扱説明書も見ておくか。私の「ユーロR」はFFです。でも取扱説明書には4WDの対応も記載してあります。

 それによると「4WDの場合も前輪駆動を主とした四輪駆動なので、チェーンは前輪に装着してください。後輪にはタイヤチェーンを装着しないでください。」

 やはり先に触れたように4WDの場合、『FFベースは前輪、FRベースは後輪に装着する。トルク配分が大きい方に装着する』です。

 迷った時には是非愛車の取扱説明書を見て欲しい。チェーン装着の正しい取り付け方が示されています。ネットの情報も重要、でもここは取扱説明書で確認する、がいいようです

装着のタイミングは? 判断が意外に難しい

 いきなりの雪、スタッドレスタイヤは履いていない。なら即チェーン装着が必要と判断出来るでしょう。しかし、周りには雪が無い、道路は僅かに湿っているのみ。さぁ、これからスキーへ出発だ‥ でもこの先いったいどのタイミングで装着する? その判断は意外と難しいのです。

 安全を第一に考えれば早期の装着が理想、と言われます。しかし、その早期が中々判断出来ない。だから迷う人も多い。ここではそのタイミングを確認しようと思います。

 分かり易いように例を。これから雪国へ向かう、まぁスキーでも温泉でも何でもいいんです。想像しよう。自宅を出る時はいい天気です。これから向かう雪国は天気が一変することなど全く想像出来ません。

 高速走行を続け1時間半以上経過、SAで休憩だ。遠くの山は雪景色、でもこのあたりまだ雪はないっすね。そこに入って来たクルマ、何だか酷く汚れている。そして屋根には雪が。ああこの先は雪なんだ、と思う。

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 さぁ、用も足したし出発です。暫く走ると外はどんより曇りやや怪しい雰囲気。そして少しずつ雪が。ならここで装着か? 道路状況はどうだろう、まずその確認を。ドライから少しウェットに変わり始めている程度。景色は雪に覆われる状況にはまだありません。ならまだ先でいいかな。

 徐々に雪が激しくなってきた。でも対向車はチェーンを装着している気配ありません。まだ大丈夫では、でも一旦ここで考えたい。雪国ならスタッドレスタイヤ装着が通常。それに最近は非降雪地域でも推奨されていますから。ん・・どうしよう?

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 トラックや観光バスなどもチェック対象としたらいい。もし1台でもチェーン装着で通過したらここは早期のタイミングと判断出来そう。そして路面がシャーベットに近い、更にはウェットながら外気温が5℃以下位からは注意したい。景色が一気に冬、路面も真っ白ではもうヤバイ!

 但し、一般に高速なら規制は事前に電光掲示板に表示されます。この先「スベリ止必要」や「冬用タイヤ規制」、「チェーン規制」などが見られたら装着のタイミングを示すことになります。見逃さないようにしたい。

 装着は大変危険なので決して路肩では行わないように。最寄のチェーン着脱場、PA、SAなど決まった場所で行いましょう。

 そして帰り、対向車がチェーンを付け始めたらこちらは外すタイミングです。雪の無いドライ路面を長く使用すると、チェーン切れを起こす可能性があります。外すタイミングも重要。この際も路肩では行わないようにしましょう。

適合サイズとクリアランス

 購入前に、適合サイズとタイヤハウス等のクリアランスをしっかり確認しておく必要があります。悩みに悩んで高価な製品を購入したけれど、いざ装着しようとしたらサイズが合わない! また何とか装着出来るけれどクリアランスがギリギリ、ハンドルを切ったら当たる、では走行出来ません。

 適合サイズは、タイヤの純正サイズを基に適合表で確認します。もしインチアップなどで純正装着サイズ以外を装着しているのなら、面倒ながらショップ等で必ずフィッティング確認をした方がいい。

 スタッドレスに装着する場合にも注意が必要です。夏タイヤと同サイズでも装着出来ないケースがあります。スタッドレスはブロック形状が特殊、ショルダーからサイドにかけては角ばっています。従って大きめでないと装着出来ない製品があります。

 これ全てではないので紛らわしい。製品により異なる、ということ。適合表はメーカーの公式サイト、またショップ等のサイトでも確認出来ます。

 次にクリアランスについて。クリアランスとはタイヤと車体の隙間です。チェーンはクルマの走行、というかタイヤの回転による遠心力で膨らみます。隙間が一定幅無いと車体に干渉し走行に支障が出ます。そもそも装着自体が難しい。製品により確認箇所が指定されていますが、一般的な目安としては以下の場所です。

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■左:トレッド面とフェンダーのクリアランス(横からのイメージ)
■右:サスペンションやブレーキ回りのクリアランス(前からのイメージ)

 一部製品を取り上げるとこうなっています。メーカーの記載をそのまま載せておきますね。

【カーメイト バイアスロン クイックイージー】
フェンダーまわりで3cm以上、タイヤ裏側で2cmのクリアランスがあること。

【イエティ スノーネット】
指定する各クリアランスが2cm以上あること。

【ソフト99 救急隊ネット】
タイヤハウスやサスペンションなどと、タイヤやホイールが3cm以上あること。前輪に取り付ける際はハンドルをいっぱいに回した状態でも確認を。

 そして、実走行前に必ず装着をしてみましょう。本番で装着しようとしたら方法が分からない、などその場で混乱することがないようにしたいものです。装着は雪の中、寒さで手はかじかみ気持ちもあせります。その際スムーズに装着出来るよう、事前の装着確認は重要です。

スピードの出しすぎに注意!

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 チェーンを装着するシーンは程度の違いこそあれ、アイス路や雪路などが想定されます。ここでの注意点として、いずれも急の付く運転は避けなければなりません。急停止、急ハンドル、急発進などは操縦安定性が著しく低下し大変危険です。

 これを繰り返すと損傷し寿命が短くなる恐れがあります。更には速度の出し過ぎにも注意を払いたい。メーカー指針としてこれ以上の速度で走行しないで欲しい、となっているはず。重要なことです。

 例えば、非金属タイプの人気製品であるカーメイト「バイアスロン クイックイージー」、50km/h以下厳守となっています。一方、金属タイプならコーニック「P1マジック」、こちらは50km/hを超える速度は出さないで欲しい。そして簡単装着を謳うタイヤに被せる布製カバー、「オートソック」は制限速度50km/hだという。

 ここに挙げた3点はいずれも50km/hまでを目安としています。しかし、どうだろう? タイプにもよるけれど50km/hは相当速いと感じます。乗り心地や効きの高さから安心が得られると速度も自然と出てしまいそう。

 ただメーカーからの注意喚起も発せられていることから、それだけ正しい使い方をしないと危険もある、ということでしょう。ここを噛み砕いてまとめるとこうなるかな。

 チェーンは飽くまでも緊急用の滑り止め装置であり、アイス路や雪路を少しでも安全に走行出来るように考えられた製品です。装着することで通常と全く同じ走行が可能となる訳ではありません。

 しかも消耗品であることを理解すべきです。車の速度が上がる程に摩耗が進行し寿命に影響します。また速度が上がればいくらタイヤにフィットさせても、遠心力でタイヤから浮き上がります。最悪は車体に接触し傷つけたり、外れたら重大な事故になる可能性があります。

 JASAA認定品なら距離600km以上の耐久性や、日本一長い関越トンネル(10km以上)も装着したままで走行可能です。それでもライフへの意識と安全性を考えれば、速度の出し過ぎはいずれもマイナスを招く恐れがあることを理解しておきたいものです。

金属製チェーン使用時のトラブルに注意

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 国民生活センターでは、金属製タイヤチェーン使用時のトラブルに注意喚起しています。装着の緩みや破損では車体に傷が付いたり、ブレーキホース等に巻き付いて損傷させなど思わぬ事故に繋がる可能性があるという。

 2016年10月 ~ 12月、過去5年以内に金属製タイヤチェーンを使ったことがある一般消費者457人へアンケート調査を実施したところ、約4割の人が使用時に何らかのトラブルを経験していたようです。

 トラブルがあった、と答えた人は457人中184人(40.3%)で、最も多いのが走行中に「チェーンが緩んだ」と答えた人の81人(44.0%)、「チェーンが切れた」と答えた人は68人(37.0%)でした。以下「保管中に劣化して使えなかった」35人(19.0%)、「装着したら車体に干渉して使えなかった」23人(12.5%)、「走行中にチェーンが外れた」15人(8.2%)など。

 またトラブルがあった184人のうち「チェーンが緩んだ」又は「切れた人」は136人(重複を除く)、これにより車体等に何らかの損傷を受けた人は35人(25.7%、重複を除く)でした。受けた損傷は「車体やホイールが大きく傷付いた」が30人(22.1%)と最も多く見られました。

 トラブル発生時の走行状況についても聞いています。トラブルがあった人184人のうち、52人(38.2%)が「30 ~ 50km/hのほぼ一定速度で直線走行中」にトラブルに遭っています。

 更に「チェーンが緩んだ」81人(44.0%)のうち54人(66.7%)が「積雪路、凍結路面」で、「チェーンが切れた」68人(37.0%)のうち31人(45.6%)が「アスファルト路面」で、となっています。

 同センターによれば、昨年度の販売数量は金属製チェーンが約40万ペア、非金属製チェーンは約24万ペアだそう。金属製チェーンが圧倒的に多いんです。非金属製に比較して流通量が多く、手頃な価格の製品が多いのも要因では。

 こんな結果もありました。過去5年間でチェーン(金属製・非金属製両方を含む)の安全・品質に関する相談が89件見られました。そのうち57件(64.0%)が南関東であり、日本の総人口に対する南関東の人口比(約28%)を考慮しても非常に多いという。

 これは冬季でも積雪が少なくチェーンの使用機会がないために、使用に不慣れな人が急な積雪に対して使用することがあるためではなか、としています。

 いずれにしてもチェーンの装着は完全に、そして安全な速度で走行することを強く意識して欲しい、と思います。

  金属製タイヤチェーン使用時のトラブルに注意 ―緩みや速度超過などは、チェーン切れや思わぬ事故につながります―【国民生活センター】

使用限度は5年! 限度超えは安全性能が低下

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 カーメイトでは、インターネット購入を検討されている方へ(オークションサイトやリサイクルショップなど) と題した注意を発しています。その内容はこう。 

 『オークションサイトやリサイクルショップにて、過去に売買されたことのある 未開封品、未使用品、試装着品等の 中古品 を 新品 と称して出品している場合があります。バイアスロンチェーン(非金属チェーン)は、初回購入後 5年 を経過した場合を使用限度としている製品です。(JASAA認定品) 使用限度を超えた場合は安全性能が低下します。購入の前に商品情報を十分に確認ください。 参考:JASAA認定品共通警告書

 使われる言葉の定義は次の通りです。

・未開封品 = 外装シュリンク梱包のまま開封されていない製品。
・未使用品 = 装着・走行はしていないが、開封済の製品。
・試装着品 = 雪路走行はしていないが、適合確認や装着練習をした製品。
・新品 = メーカー出荷後に一度も販売されていない製品。インターネット上での表現とは異なります。新品以外はすべて 中古品。

 JASAA認定品共通警告書によると、非金属製及びケーブル式チェーンは5年間継続使用すると、経年劣化し性能が十分発揮出来ない場合があるという。5年経過した製品は、たとえ全く使用していなくとも、劣化等により安全性能低下が懸念される、ということですね。

 当然ながらそれ以前でも摩耗等により効きへの不安が伴うならそこは限界、と割り切るべきです。

 ここではカーメイト及びJASAA認定品として触れていますが、それ以外の製品も同様では。特に布製タイヤカバーは、よりエマージェンシー用としての位置付けが強いことから十分に注意して欲しいと思います。

構造・形状によるチェーン不適合タイヤがある

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 チェーンには装着に適しない不適合タイヤというものがあります。タイヤの構造・形状により装着出来ないのです。

 で、どんなタイヤが該当するのか調べたら、多くは4×4に装着されるM/T(Mud Terrain)=オフロード対応などがそれです。


 例えば、カーメイト「バイアスロン クイックイージー」の場合(一例)

・ブリヂストン DUELER M/T 674
・ヨコハマ GEOLANDAR M/T+
・ダンロップ GRAND TREK MT2
・トーヨー OPEN COUNTRY R/T
・グッドイヤー WRANGLER MT/R
(詳しくは カーメイト公式サイトで確認を)

 M/Tタイヤは、ダートでもマッドでもしっかり路面を掴む本格的な4WDオフロードタイヤです。通常よりトレッド面の溝が深く、また剛性に優れたブロック構成が強力に路面に食い付きグリップします。岩や石へのヒットにも強さが発揮される得意性を持ちます。

 しかしチェーン装着ではこのブロック構成が邪魔になるのです。サイズの適合性、そして装着時のフィッティングに問題があります。外れたり損傷したりする恐れがあるという。購入前には必ずメーカーの公式サイト、または購入店で確認して欲しい。

 もし装着がダメ、他製品を探したがありません、ならどうすべきか? MTタイヤはM+Sを謳い浅雪での走行を可能としています。しかしそれは限定的と捉えたい。

 ブロック配置による溝の多さは接地面が少なく、トレッドゴムは岩や石へのヒットにも強さが発揮されるよう少し硬めに造られています。ところが雪による路面温度低下でゴムは更に硬くなり、路面への接地性は著しく低下します。深雪のラッセル走行はそこそこ行けるかもしれません、でも圧雪やアイス路面では厳しい。

 やはりスタッドレスでしょ。SUV/4×4スタッドレスの専用性に頼るのが安全だと考えます。

使わなくなったチェーンの廃棄はどうする?

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 チェーンを使わなくなった理由はいくつかあるでしょう。新たにクルマを購入しサイズが合わなくなった。摩耗が激しく使用の限界。まだ使えそうながら5年以上経過で使用期限と判断、などかな。

 使わないし保管しておいても意味が無いので処分したい。ただゴミに出して良いものか、調べる必用があります。

 例えば神奈川県横浜市は、プラスチック製なら縦横高さ全てが50cm未満であれば「燃えるゴミ」、縦横高さ全てが50cm以上であれば「粗大ゴミ」。金属製は縦横高さ全てが30cm未満であれば「小さな金属類」、縦横高さ全てが30cm以上であれば「粗大ごみ」となっています。

 埼玉県川口市は、ゴム製なら「粗大ゴミ」、金属製なら40cm以内は「資源物 金属類」、40cmを超えるものは「粗大ゴミ」です。

 各自治体によって「燃えるゴミ」、「資源物」、「粗大ゴミ」など区分けは異なります。必要によりご確認を。因みに我が町では、金属製ならクリーンセンターへ自己搬入(廃棄物搬入確認券で無料)、ゴム製は燃やしてよいゴミ、となっていました。金属製は面倒だな・・

 とうことで、オークション等へ出品してみよう、はご注意を。

 『JASAA認定品共通警告書によると、非金属製及びケーブル式チェーンは5年間継続使用すると、経年劣化し性能が十分発揮出来ない場合がある、としています。5年経過した製品は、たとえ全く使用していなくとも、劣化等により安全性能低下が懸念されます。』

 その製品を出品等することで後々問題となる可能性があるかも。逆にその製品を購入する場合も安全性が心配です。諸々考えると使用しなくなったら廃棄、購入は新品を推奨します。

チェーン規制が改正になりました!

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 2018年12月14日付けで新たな「チェーン規制」が施行されました。従来までとは異なる内容なので是非理解しておきたい。以下、規制案のアナウンスから公布・施行に至るまでポイントになるところを示します。

新たなチェーン規制案から始まる

 2018年11月15日付け、国土交通省より新たな「チェーン規制【案】」がアナウンスされました。大雪時の交通確保の為に「チェーン規制」を実施すべき、というもので2018年12月上旬に公布・施行されるというもの。

 改正案は、大雪時(気象庁が警報を出すレベル)の交通確保を図ることを目的に、2018年11月1日に開催された第4回冬期道路交通確保対策検討委員会で、チェーン規制を実施すべき旨が示されました。

 これを踏まえ、過去に立ち往生が起きた場所等などの約20区間を2018年11月末から年度末までに順次指定、2019年度以降約200区間に広げる考えだという。

 従来規制は、「冬用タイヤ装着ならチェーンなしでOK」と「チェーン装着が必須」の2通りがありました。改正案は1本化され、冬用タイヤ云々ではなくチェーンの装着が必須になります。

 またその区間には規制標識等を新設し、チェーン装着なしの車両通行を禁止する意味を表示します。なお、スタッドレスタイヤなど滑り止め対策をしていれば通行可能という規制は、「冬タイヤ規制」などの文言に変えられるよう。

2018年12月10日付けで検討状況公表

 国土交通省から2018年12月10日付けで、チェーン規制の検討状況について発表がありました。以下要約します。

 ①チェーン規制が敷かれるのは、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪時。(因みに2017年度は、大雪特別警報の発令はなく、大雪に対する緊急発表は3回)

 ②対象区間は、勾配の大きい峠部でこれまでに大規模な立ち往生などが発生した区間。従来なら通行止めとなる状況においてチェーン装着車のみ通行を可能とするもの。

 ③具体的区間は2018年12月10日時点で、全国13区間(うち直轄国道6区間、高速道路7区間)を調整している。

 ④具体的な開始時期は改めてお知らせする。また大雪が予想される2 ~ 3日前より通行止め実施の可能性がある旨について事前広報を行い‥地域住民や道路利用者に周知する。

2018年12月14日付けで公布・施行

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 新たな「チェーン規制」に関連する改正が2018年12月14日付けで公布・施行されました。で、今回規制についての発表資料にQ&Aが追加され、より分かりやすい内容になっています。興味があるのはそのタイプ、どんなチェーンでもいいの?

 道路運送車両の保安基準(走行装置等)第9条第4項には、タイヤ・チェーン等は走行装置に確実に取り付けることができ、かつ、安全な運行を確保することができるものでなければならない。としています。これを基に以下のような指針が示されました。

①金属チェーンタイプ : 金属製のチェーンやワイヤーの製品
②ウレタン&ゴムチェーンタイプ : ゴムなどの樹脂製の製品
③布製カバータイプ : アラミドなどの特殊繊維製の製品

 カー品店などで販売されているものであれば問題なし。但し、スプレーのように薬剤を吹き付けるタイプのものでは駄目‥詳細は チェーン規制について Q&A国土交通省で確認を。

まとめ

 雪が降ったら近所の道でもどこでも必ずチェーンを装着しなければいけないの? という捉え方で当初は混乱がありました。しかしそうではない。

 規制はスタッドレスタイヤでもチェーン装着が必須になる。但し、気象庁が大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪時、勾配の大きい峠部で過去に大規模な立ち往生などが発生した区間、しかも近くにチェーン脱着場が整備されている場所や、通行止めが解除されるまで待機できる場所がある所を中心に区間が決定されています。

 具体的には、現在全国13区間(うち直轄国道6区間、高速道路7区間)を指定、今後順次対象区間を広げる考えのよう。現在の具体的区間についても Q&A国土交通省で確認できます。

 この区間を通行する場合、スタッドレスタイヤを装着してもチェーン装着が必須になります。もちろん4WDでも同様です。なお違反すれば罰則(6カ月以下の懲役か30万円以下の罰金)が科される場合あるよう。

製品比較は タイヤチェーン性能比較表で確認!