トータル性能に長ける安定性を強調したバランス型
- カテゴリー:スタッドレス/SUV用
- サイズ:12~19インチ
- 扁平率:80~35%
- 発売:2016年8月(2017年9月SUVサイズ追加)
- 3件のインプレッション
全ての冬路面にバランス性能を発揮する特性を強調。それまでのハイスペックモデルは「WINTER MAXX 03」へ譲りつつも、従来通り軽カーからミニバン、プレミアム、更にはSUVまでフォロー可能。
製品情報
ダンロップ「WINTER MAXX 02(ウインターマックス ゼロツー)」は、2016年に登場した当時、メーカー自ら史上最高傑作と謳ったほどの力の入った製品でした。それまでの「WINTER MAXX」をベーシックモデルへと位置付け直し、より高性能を追求するプレミアムモデルとして誕生したのが「WINTER MAXX 02」です。
その際、従来モデルは「WINTER MAXX 01」へ改称され、役割を明確に差別化することでシリーズ全体の階層が整理されました。しかし2020年代に入り「WINTER MAXX 03」が登場すると、同じプレミアムの座にあった「WINTER MAXX 02」は自然とポジションをシフトし、アイス性能特化型の「WINTER MAXX 03」と比べれば、トータルバランス型としての役割に落ち着くこととなります。
発売当初「WINTER MAXX 02」が前面に押し出したのは、アイス性能と効きの長持ち、そしてライフの長持ちという二つのテーマでした。
アイス性能の高さは当時のダンロップ製品の中でトップとされ、更に長期間に渡ってその性能を維持出来る点が特徴でした。これは単なるアイス路での効きだけでなく、エコ性能にも直結しており、タイヤを長く使えることによる経済性の向上というユーザー価値を含んでいました。
アイス性能を支えたのは、新開発のコンパウンドとパターンデザインです。ダンロップ独自の材料設計技術4D NANO DESIGNを駆使して生まれた超密着ナノフィットゴムは、マクロレベルではブロック剛性を高め、接地面全体の安定性を強化しながら、ナノレベルでは氷の微細な凹凸にしっかりと入り込み、接触面での密着性を向上させるという二面性を持ちました。
これにより氷上ブレーキ性能は従来比で12%も向上。加えて、路面の微細な凹凸との密着度が20%も高められ、撥水による除水効果を起点とした密着技術を更に強調することになりました。
もう一つの武器がMAXXグリップパターンです。これは独自のサイピング技術MAXXシャープエッジを17%増量させ、エッジ効果を高めたデザインです。例えば205/55R16サイズなら1ブロックに6本だったサイプが7本に増え、その分だけ氷を引っ掻く力が増し、ブレーキングとコーナリングの安定性を飛躍的に高めました。
エッジ成分の増加は雪路でも効果を発揮し、雪をしっかり捉えてトラクションを向上させる、いわゆる雪柱せん断力の強化にも繋がっています。つまり氷と雪の両面で効きを確保出来る設計思想が込められていました。
また「WINTER MAXX 02」がもう一つ力を入れたのが効きの長持ちです。タイヤゴムが硬化してしまう原因は、内部の軟化剤であるオイル成分が使用中に揮発・抜け落ちることにあります。そこで新素材を導入し、ポリマーと結合して抜け難い新しい軟化剤を開発しました。これによりゴムの柔軟性を長期間維持し、アイス性能の低下を防ぐ効果が期待出来ました。
この発想は、ダンロップがかつて100%石油外天然資源を使用した「エナセーブ100」の開発で培ったバイオマス技術を応用して生まれたものであり、環境対応技術とプレミアム性能が融合した成果でもありました。
更に、氷雪路面だけでなくドライやウェット性能の底上げも図られており、接地面積指数の向上によって直進安定性が強化され、ウェット性能についても従来比4%改善するなど、日常走行での安心感にも配慮がなされています。
性能チャートを見る限りでは、従来モデルを全般的に上回り、中でもアイスブレーキ性能と効きの持続性において大幅な伸びを実現していたことが明確でした。
サイズラインアップも豊富で、軽カーからミニバン、さらにはプレミアムセダンまで幅広く対応し、車種に関わらずハイスペックモデルを選べる点も大きな魅力でした。むしろ雪道に不慣れなドライバーや初心者こそ、こうした高性能スタッドレスを選ぶべきだという提案が出来る製品でもあったのです。
ただし「WINTER MAXX 03」の登場により、位置付けは変化しました。「WINTER MAXX 02」が持っていたプレミアムスタッドレスとしてのフラッグシップ的役割は「WINTER MAXX 03」に引き継がれ、「WINTER MAXX 02」はアイス性能特化というよりも、氷雪・ドライ・ウェットのバランスを意識したモデルへとシフトしました。
つまり「WINTER MAXX 03」がアイス性能に徹底的に磨きをかけた旗艦モデル、「WINTER MAXX 02」は冬道を幅広くカバーする万能型という棲み分けが明確に成立したのです。
「WINTER MAXX 02」は、アイス性能と長持ち性能を強みに当時の競合と真っ向勝負を挑んだ、ダンロップにとって重要な転換点となったモデルでした。そして「WINTER MAXX 03」が登場した現在でも、その存在はシリーズの中でバランス型の代表として確固たる位置を占め続けています。
サイズ・購入
インプレッション
- 投稿数 【3】
- 氷 上 性 能
- 雪 上 性 能
- ド ラ イ性能
- ウェット性能
- 寿 命
- 平均評価値(5満点)
- 4.3
- 4.0
- 4.3
- 4.0
- 4.0
- 氷 上 性 能
- 雪 上 性 能
- ド ラ イ性能
- ウェット性能
- 寿 命
- 氷 上 性 能
- 雪 上 性 能
- ド ラ イ性能
- ウェット性能
- 寿 命
タイヤ専門店でWM-02ををすすめられて購入しました。ひと冬、札幌市内はもとより北海道内を運転しましたが必要以上に、想定以上に滑ったことはありませんでした。車との相性も関係するとは思いますが、以前に乗っていたフォルクスワーゲン2車種に使用していたVRX、IG50+と比較しても特筆すべき差はないと感じています。
- 氷 上 性 能
- 雪 上 性 能
- ド ラ イ性能
- ウェット性能
- 寿 命
全体的にバランスよく作られておりドライ・ウェット路面でカーブをオーバースピードで侵入してもよくグリップしてくれる。ただし、サイドの剛性が低いのでVRXと比較するとグニャグニャした感覚がある。また、トレッド面に関してもゴムが柔らかいのでドライ・ウェットが多い地域はエッジが丸まってしまい雪上・氷上での安定性が若干ながら損なわれる。それ以外は一本当たりの価格がVRXと大差がなかった(購入時一本当たり2000円差)。
価格がもう少し安ければ総じてバランスのとれたタイヤになるのではないかと思う。