オールシーズンタイヤ性能比較表 2019-2020

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 夏・冬用の性能を兼ね備えた全天候型であるオールウェザー、いやオールシーズンタイヤというのが一般的かな。特殊コンパウンドとトレッドパターンは季節を問わず多彩な路面コンディションに対応します。

 ドライでは安定した走りを提供し、ウエットでは高い排水性を実現。更に冬の浅雪程度なら走行可能なのが最大主張点です。実際M+Sに加え、欧州で冬用タイヤとして認証されたスノーフレークマークが刻印、これにより 高速道路の冬用タイヤ規制でも通行可能、としています。

 年間を通して季節や路面を選ばない、履き替えなしで走行可能であり新たなカテゴリーに括られます。ただどちらかと言えばスタッドレスと比較されることが多く、それを前提に冬の有効性を期待したいものです。

(2019.8更新)
【TOPICS】
 

オールシーズンタイヤの現状はどうなっている?

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 日本国内での普及は、顕著な北米など(グッドイヤーによると普及率は北米が80%、欧州が50%ほどだという)に比較して、除雪環境や降雪後様々に変化する路面状況によって正直厳しい印象を抱きます。豪雪や降雪後のアイスーバーンなどでは専用であるスタッドレスの信頼性には及ばない、ということです。

 従って特に国内メーカーの積極性はいまひとつ。製品ラインアップが少ないのはとっても残念です。そんな中でも強調姿勢に向いているのがグッドイヤー。これがジワリ効いてきたような。2019-2020年冬シーズンは動きに大きな変化が見られます。

最初の投入はグッドイヤー

 1977年に世界で初めてオールシーズンタイヤ「TIEMPO(ティエンポ)」を投入したのがグッドイヤーです。利便性・安全性・経済性に着目、そこから40年間に渡り開発を続けています。四季がより明確な日本特有の気候環境こそ向いている、と訴えます。

 ただ実際は日本の道路事情に照らし合わせると、オールシーズンは正直厳しい印象があります。なのに普及への道筋を探るのはなぜ?

 それまで住友ゴム色が至るところで感じられた国内のグッドイヤー展開。双方の決別により特にグッドイヤーは従来を脱し、グローバルとしての特色作りに舵を切りました。その一環がオールシーズンでは。

 恐らく苦戦は承知の上かな。昨シーズン急に取り入れた製品ではないし、以前からひっそりながらラインアップには名を連ねていました。そこから急激に露出を高めた訳で、明らかな施策の転換かと。

 一部としてファルケンの投入もありましたけど、それでもグッドイヤーはここを牽引し筆頭にならないといけないでしょう。その為には継続的な強化が必要です。

ターゲットは非降雪地域

 近年は非降雪地域でもスタッドレスの装着が推奨されるなど、冬のタイヤ装着に対する発展的提案が進んでいます。でも1年に1回雪が降るかどうかでそれを購入するのに二の足を踏む人が多いかな。

 ならオールシーズンの提案をここに向けたらいい。1年中交換無しでとっさの雪に対応でき、しかも夏タイヤに近いイメージなら興味が得られる可能性高いでしょうね。

 大体だけれどスタッドレスの装着期間を11月下旬から3月末までとしたのなら4ヶ月、プラス1ヶ月でも5ヶ月です。残り7 ~ 8ヶ月は夏タイヤになります。この期間もオールシーズンにとっては交換なしでいけます。

 スタッドレスは低温でも柔軟さを失わない特殊コンパウンドが使用されています。しかし夏場は一転、このコンパウンドが高速走行などで激しい熱を持ちやすく、最悪破裂(バースト)など危険性に繋がる可能性があるんです。

 オールシーズンにおいても柔らかさを保つ特殊コンパウンドが採用されています。但し、そこは夏場にも耐えられバランスを配した専用設計になっています。またトレッドパターンも双方に可能な限り効きを両立するデザインを採用します。

オールラウンドとは異なる

 似たような括りに見えるのがオールラウンドかと。オンロードとオフロード対応を謳い、主に4×4タイヤに括られます。A/T(All Terrain)= オールテレーンの言い方が一般的かな。

 A/T(オールテレーン)の意味は全地形、そうオン・オフから浅雪程度の走行を可能とします。しかもM+S表記がなされることから、形式的にはオフロードは勿論、雪道でも走れる性能を持った製品と言われます。

 実際メーカーでは、浅雪での性能に配慮した、としています。但し、冬性能に特化した製品ではない為にそこはエマージェンシーレベル、厳しい雪道走行には向いていません。

 またオールシーズンは乗用車用、A/TはSUV/4×4用という当初の見方も存在します。しかし、グッドイヤーが敢えてSUV用オールシーズンとして「Assurance WeatherReady」を国内へ導入、更にトーヨーからも同様の製品が投入されるなど一線を引いています。

冬性能には限界も

 夏・冬用の中間性能を持つ、と言ってもそこは積雪量が多くなれば限界が訪れます。アイス路面になれば尚更です。そのままでスキー場や状況が厳しい降雪地域へ向かうのはとっても心配。残念ながらここは割り切ってスタッドレスタイヤの装着、もしくはチェーンの準備を整えましょう。これ重要、メーカーもその点は明確にしています。

2019-2020年シーズンは過去最大のラインアップ!

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 2019-2020年に向けて正直これほどのラインアップ拡大が実現するとは思いませんでした。だって昨シーズンはグッドイヤーとファルケンの2メーカーにプラスアルファの展開でしたので。

 まぁ、今思えばミシュランが一部へ販路を絞り込むことでテスト販売するなど、可能性を模索する動きはありましたけどね。いずれにしても傾向としてはいい感じだし早速全体のラインアップを確認しましょ。

グッドイヤー、ファルケン

 筆頭としてやはりグッドイヤーからでしょ。今回へ導いた功績は大きい。「Vector 4Seasons Hybrid」と「Assurance WeatherReady」を備え乗用車からSUV用まで更なる強化を図ります。特に「Vector 4Seasons Hybrid」はサイズ展開も十分だし実績もあり。最初に検討されるべき製品だと思います。

 次いでファルケン「EUROWINTER HS449」かな。国内ではグッドイヤーに次ぐ露出強化に貢献してきました。国内導入は2015年ですが欧州では2012年から既に発売されています。

ミシュラン、ピレリ

 で、実はここからが新シーズンの特徴になります。ピレリ「Cinturato ALLSEASON PLUS」は2018年から、そしてミシュラン「CROSSCLIMATE SERIES」は2018年にオートバックスで先行販売を実施していたもので、ようやく解禁? です。しかもSERIES(シリーズ)はタイプ別に3種をラインアップ。軽・コンパクトカー用の「CROSSCLIMATE」、セダン用「CROSSCLIMATE+」、SUV用「CROSSCLIMATE SUV」となる。計80サイズを設定します。

ダンロップ、トーヨー

 これだけじゃない! 反応したのは海外メーカーに留まらず、トーヨー、ダンロップまでもが参戦します。トーヨーは2015年に北米や欧州などで先行投入済みのSUV用「CELSIUS」を国内へも決断しました。またダンロップは「ALL SEASON MAXX AS1」を2019年10月から発売します。

 数年前まで全くの少数派だったオールシーズンながら、首都圏など非降雪地域への有効性にユーザー心理の浸透度が高まるのをメーカーが期待してのこと。またスタッドレスタイヤ市場の需要限界も影響しているのかな。現状国内メーカーの優位性は崩れず、海外メーカーにとっては何とも歯痒い。そこで見出したのがオールシーズン、ということも。注目はブリヂストンとヨコハマの参戦があるか?です。さぁどうする?

オールシーズンタイヤ性能比較

 

トーヨー

CELSIUS(SUV用)new
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  • サイズ:15~17インチ
  • 扁平率:65~60%
  • 発売:2019年8月
北米や欧州など先進市場で評価、満を持して国内投入!

「CELSIUS」はトーヨーがSUVへ向けたオールシーズンタイヤ。2015年に北米や欧州などで先行投入済み。本場? というかオールシーズン先進市場で相応の支持を得たことから国内導入に踏み切ったよう。潜在的な顧客開拓を図る、としている。

 

ファルケン

EUROWINTER HS449
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  • サイズ:14~18インチ
  • 扁平率:70~45%
  • 発売:2015年
突然の雪にも安心、高速道路のチェーン規制にも対応

突然の雪にも対応でき、ドライ・ウェットで高い操縦安定性能を実現、スタッドレスへの交換の手間が省ける、という3つのメリットを謳う。サイドには欧州で冬用タイヤとして認証された スノーフレークマーク が刻印される。

 

グッドイヤー

Vector 4Seasons Hybrid
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  • サイズ:13~18インチ
  • 扁平率:80~40%
  • 発売:2008年
夏冬用タイヤの性能を兼ね備えた全天候型タイヤ

特殊コンパウンドは季節を問わず多彩な路面状況に対応、冬の低温時も硬くなり難い特性で冬タイヤの性能も実現。M+S に加え、スノーフレークマーク が刻印。2016年国産となり新たに SNOW マークが追加刻印、Hybrid となる。

Assurance WeatherReady(SUV用)
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  • サイズ:16~20インチ
  • 扁平率:65~55%
  • 発売:20018年8月
SUVへもオールシーズンを波及!

SUV専用オールシーズンタイヤ。従来の石油を原料とするオイルに代わり大豆を原料としたオイルを採用。大豆オイル、ゴム、シリカによる新配合オールシーズンシリカコンパウンドを搭載する。国内におけるオールシーズンラインアップ強化を図る。

 

ミシュラン

CROSSCLIMATE SERIESnew
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  • サイズ:14~20インチ
  • 扁平率:70~35%
  • 発売:2019年2月
雪も走れる夏タイヤ をコンセプトに掲げタイプ別に3種をラインアップ

SERIES(シリーズ)はタイプ別に3種をラインアップ、軽・コンパクトカー用の「CROSSCLIMATE」、セダン用「CROSSCLIMATE+」、SUV用「CROSSCLIMATE SUV」となる。コンセプトは 雪も走れる夏タイヤ。特殊コンパウンドとトレッドパターン双方で効きを両立。

 

ピレリ

Cinturato ALLSEASON PLUS
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  • サイズ:15~17インチ
  • 扁平率:65~45%
  • 発売:2018年
都会派ドライバーをターゲット

コンパウンド系の改良を実現し「Cinturato ALLSEASON PLUS」に進化。これにより都会派ドライバーをターゲットに雪路及びウエットを重視、冬季・夏季の両シーズンに渡り安全ドライブを提供するという。