プレミアムとしての位置付けを強化
- カテゴリー:スタッドレス
- サイズ:15~22インチ
- 扁平率:65~35%
- 発売:2024年9月
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ウインター性能を向上させるだけではなく、環境性能と快適性能に対する期待にも応えることが可能。冬のドライビングを新たなレベルに引き上げプレミアムである要素を兼ね備えた。
製品情報
コンチネンタルが日本市場に投入した「VikingContact 8(バイキングコンタクト エイト)」は、プレミアムスタッドレスタイヤとして、従来モデルである「VikingContact 7」を大幅に進化させた最新モデルです。
2018年に登場した「VikingContact 7」から実に6年ぶりのモデルチェンジとなり、氷雪路性能をさらに強化するとともに、転がり抵抗や静粛性と言った環境性能、そして快適性能もバランス良く高めている点が特徴とされています。
発売は2024年9月1日から始まり、285/45R22 114T XL ~ 185/65R15 92H XLまで60サイズを展開するなど、多様な車種やパワートレーンに対応出来るラインアップが整えられています。
「VikingContact 8」の開発背景には、日本市場における激しい競争環境があります。スタッドレスタイヤ市場ではブリヂストンが圧倒的なシェアを誇り、国内メーカーの存在感も非常に強い状況にあります。
更に近年では、グッドイヤーやミシュラン、ピレリなどの海外メーカーも最新モデルを投入して競争を繰り広げています。しかし日本市場はアイス性能に対する要求が極めて高く、雪上性能や環境性能に優れていても、アイス性能で満足出来なければ受け入れられ難いという現実があります。
その為、コンチネンタルも今回の新モデルにおいてはアイスグリップを大きく強化しつつ、付加価値としての快適性や環境性能を両立させることで、プレミアムモデルにふさわしい完成度を追求しています。
「VikingContact 8」に搭載されている技術の中で最も重要なのは、新開発のノルディック・コンパウンドです。従来よりもシリカとの相互作用を高めた独自のアイスポリマーを採用したもので、極低温下でも柔軟性を維持しながら氷表面に密着し、ブレーキング時やコーナリング時に優れたグリップ力を発揮します。
氷雪路での安心感を支える基盤となる部分であり、日本市場での評価に直結する技術と言えます。また、このコンパウンドは雪路やアイス路だけでなく、振動や騒音を吸収する性質も持ち合わせており、タイヤが発生する不快なノイズを低減する効果も発揮します。
トレッドパターンについても進化が見られます。新たに採用された3レイヤー・サイプは、直線、ジグザグ、波型という3種類の異なる形状を組み合わせた多機能なサイプ構造です。これにより、氷の上では細かくかみ合わせてグリップを確保し、雪上では雪柱せん断効果を発揮し、更にはウェット路面でも効果的に水を排出するなど、様々な気象条件に応じた高いトラクション性能を実現します。
また、新しいディレクショナルパターンを採用することで、直進安定性や排水性を高めると同時に、ロードノイズの低減にも繋がっています。氷雪性能と静粛性を両立させた点は、従来のモデルから大きく進化した部分だと言えるでしょう。
環境性能の向上も重視されています。タイヤ内部の変形を抑える新しいパターンとコンパウンドの組み合わせにより、走行時のエネルギーロスを低減。これに加えて、カーカスやインナーライナーに熱損失を抑える新素材を導入することで、転がり抵抗を効果的に低減しています。
その結果、燃費やEVの航続距離に貢献することが可能となり、CO2排出量の削減というサステナビリティの観点からも高い評価が期待されます。特に近年のEV普及を考えると、スタッドレスにおいても低転がり抵抗性能は欠かせない要素となっており、コンチネンタルはしっかりとそのニーズを反映させています。
「VikingContact 8」は、氷雪路での確実な性能強化とともに、快適性や環境性能を兼ね備えた、まさにプレミアムモデルらしい完成度に仕上がっています。
従来の「VikingContact 7」は登場から年数が経ち、やや古さを感じさせる存在となっていましたが、今回のフルモデルチェンジにより市場での存在感を高めることになるかと。日本市場におけるブリヂストンの牙城は極めて厚いものの、海外プレミアムメーカーならではの独自技術とバランスの良さを武器に、「VikingContact 8」は選択肢のひとつとして十分に注目に値する製品だと言えます。