セーフティを謳いスタンダードの位置付けへ
- カテゴリー:スタッドレス
- サイズ:15~21インチ
- 扁平率:65~35%
- 発売:2024年9月
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低温、凍結、雪の多い路面状況での走行安全を開発の第一目標に、より安全・安心な氷雪路の走行を実現。セーフティ・スタッドレスタイヤを謳いスタンダードの位置付けが適しているかと。
製品情報
コンチネンタルが新たに投入した「NorthContact NC7(ノースコンタクト エヌシーセブン)」は、北欧をはじめとする厳しい冬環境で対応するために開発されたスタッドレスタイヤです。
開発コンセプトはシンプルでありながら重要な安全性の確保で、低温、凍結路、積雪路と言った冬特有の過酷な条件下で安定した走行を可能にすることを第一に掲げています。
その為にコンチネンタルは、このモデルをセーフティ・スタッドレスタイヤと位置付け、氷雪路を安心して走破出来る性能を軸に訴求しています。しかし、同時期に発表された「VikingContact 8」がプレミアムモデルを標榜するのに対し、「NorthContact NC7」はより幅広いユーザーに向けたスタンダードクラスとして明確に差別化されており、両者を上下関係で整理するのが適切かと。
発売サイズは、275/45R21 110T XL ~ 175/65R15 84T まで46サイズを設定し、2024年9月1日から販売を開始しました。
対象となるのは日常的に雪道を走行するユーザー層で、より高価なプレミアムタイヤまでは必要ないが、確実な氷雪性能と耐久性を求める顧客に向けられています。
コンチネンタルが強調する性能は3点で、まずはワンランク上の氷雪路での走破性。従来のノース系モデルよりも氷雪上の制動力とトラクションを強化し、冬道での安心感を高めています。
次に乗り心地と静粛性。スタッドレスは一般にノイズが大きく快適性に劣るとされますが、コンチネンタルはこのモデルでも騒音低減技術を盛り込み、快適性を犠牲にしないことを重視しました。
そして経年劣化への耐久性。スタッドレスでよくある硬化による性能低下を抑え、長期間の使用においても柔軟性を維持することが狙いとされています。
上位の「VikingContact 8」との関係に目を向けると、氷雪性能の面で「NorthContact NC7」はやはり一歩譲るのが実情です。アイス制動や雪上トラクションといった純粋な冬性能においては、プレミアムを名乗る「VikingContact 8」に軍配が上がります。
しかし「NorthContact NC7」はその分、耐摩耗性能に重点を置いており、長期にわたり性能を維持出来る点で差別化を図っています。
スタッドレスは使用環境によって減り方に差が出やすい為、寿命の長さを強調するのは、経済性を重視するユーザーには大きな訴求力となります。つまり、性能全般では上位に及ばなくとも、トータルバランスと耐久性で安心感を提供するのがこのモデルの立ち位置と言えます。
技術面においては、新世代ノルディック・コンパウンドの採用が大きなトピックです。極低温下でも硬化し難く、路面追従性を高めることで安定したグリップを確保するこの素材は、厳冬地域での信頼性をさらに引き上げています。
加えて、パターンデザインにはゲッコー・グラブ・パターン2.0と名付けられた最新技術を導入。左右非対称デザインを基調とし、雪や氷にしっかり食い込む構造を持たせ、制動力と駆動力を底上げしています。
また、千鳥状に配置されたパターンとサイプ設計は、接地時のブロック挙動を分散させる効果があり、いわゆる気柱間共鳴音を抑えることでノイズを低減。スタッドレスの弱点である静粛性を改善し、冬道でも快適なドライブを可能にしています。
「NorthContact NC7」は、最も重要な氷雪性能をしっかり押さえつつ、快適性と耐久性を高めたスタンダードモデルと位置付けられます。
上位の「VikingContact 8」と比べれば性能のピークは劣るものの、日常使用において不足を感じさせないレベルの実力を持ち、さらに経済性を加味したバランスの良さが特徴です。
コンチネンタルはプレミアムとスタンダードを揃えることで、ユーザーの多様なニーズに応える布陣を整えたと言え、氷雪路に挑む安心感を手の届きやすい価格帯で提供する、現実的な選択肢を提示しているのが「NorthContact NC7」になろうかと。