年間を通して安全性を必要とするドライバーへ向ける
- カテゴリー:オールシーズン
- サイズ:16~19インチ
- 扁平率:65~35%
- 発売:2024年7月
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ドイツの独立認証機関である「DEKRA」のテストによって、複合ブレーキで高評価を獲得。また「TUV SUD」からも、様々な走行状況における強みを評価され認定マークを授与。
製品情報
ピレリが2024年7月に発売を開始した「CINTURATO ALL SEASON SF3(チントゥラート オールシーズン エスエフスリー)」は、都市部に住む小型車や中型車のドライバーを主な対象に開発された新世代オールシーズンタイヤです。
先代となる「CINTURATO ALL SEASON SF2」は2021年に市場投入されており、「CINTURATO ALL SEASON SF3」はその技術を引き継ぎつつ、より一層の進化を遂げています。最大の特徴は、年間を通して安定した安全性能を提供することに加え、ドライ・ウェット・雪道という異なる走行環境下でのブレーキ性能を高いレベルで両立させている点にあります。
「CINTURATO ALL SEASON SF3」は、ドイツの独立認証機関である「DEKRA(デクラ)」のテストによって、複合ブレーキ(ドライ、ウェット、雪の各条件を考慮)で高評価を獲得しています。また「TUV SUD(テュフズード)」からも、様々な走行状況における強みを評価され認定マークを授与されました。
設定されたサイズは、245/35R19 93Y XL ~ 215/65R16 102V XL までの36をラインアップし、全てのサイズが欧州タイヤラベリング制度におけるウェットグリップ性能で最高評価となる「A」を獲得している点も注目されます。更に騒音に関しても優れており、ラベリング評価は「A」または「B」を取得しているため、日常的に快適な乗り心地を求めるユーザーにとっても大きな魅力となります。
「CINTURATO ALL SEASON SF3」の開発にはピレリが得意とするバーチャルシミュレーション技術が投入され、多様な気象条件下でのブレーキ挙動や操縦安定性が事前に徹底的に解析されています。
構造面では、従来モデルから受け継がれたアダプティブトレッドテクノロジーが進化を遂げています。この技術では、タイヤ表面のサイプの形状が摩耗の進行に応じて変化し、直線的なパターンからジグザグの形状へと移行する仕組みを採用しています。
その結果、トレッドの残り溝が浅くなった場合でも雪を噛む力を維持し、寿命全体を通じて安定した雪上性能を発揮することが出来ます。また、サイプは走行中にタイヤへ伝わるエネルギー量に応じて開閉し、必要に応じて冬向けの柔軟な形態から夏場に適した硬く引き締まったパターンへと変化します。
これによって四季を通じてブレーキ性能やロードホールディング、操舵精度が向上し、異なる環境に柔軟に対応出来るのです。
更に、「CINTURATO ALL SEASON SF3」ではコンパウンドに革新的な素材が投入されています。微細構造を持つ新しいポリマーが採用されており、寒冷条件では柔軟さを保ちながら高い運動性能を維持し、逆に高温条件下では剛性を確保することで安定性とレスポンスを高めています。
また、天然由来の新樹脂が配合されており、低温時のグリップを一層確実にします。加えて、リキッドポリマーの採用により、ウェット性能を犠牲にすることなく雪上での性能を最大化出来るという点も技術的な進歩のひとつです。
このように複合的な材料技術の導入によって、従来のオールシーズンタイヤの弱点とされてきた雪道では頼りないが、夏場は柔らか過ぎる、と言った二律背反を解消しようとしています。
外観的な認証としては、「CINTURATO ALL SEASON SF2」から引き続きM+Sに加えて3PMSF(スリーピークマウンテン・スノーフレーク)マークが刻印されており、雪上走行性能が一定基準を満たすことが証明されています。
つまり単にオールシーズンを名乗るだけでなく、厳しい欧州基準に則った本格的なオールシーズン性能を持つことが明確に裏付けられています。
「CINTURATO ALL SEASON SF3」は、都市部で日常的にクルマを使用するユーザーにとって、季節ごとにタイヤを履き替える煩わしさを減らしながらも、安全性と快適性を高い次元で両立させる1本に仕上がっています。
「CINTURATO ALL SEASON SF2」からの進化点は、摩耗に伴う性能維持の工夫、コンパウンド技術の刷新、そしてテスト機関による裏付けと言った多方面に及んでおり、ピレリがオールシーズン市場に本格的に力を入れていることを示す象徴的なモデルと言えるでしょう。