最大主張は雪も走れる夏タイヤを強調
- カテゴリー:オールシーズン
- サイズ:15~21インチ
- 扁平率:65~35%
- 発売:2021年10月
- 4件のインプレッション
雪も走れる夏タイヤを強調。またオールシーズンとは示さず全天候型タイヤ。M+Sにプラスして、スリーピークマウンテンスノーフレークマークを刻印。高速道路の冬用タイヤ規制でも原則通行可能。
製品情報
ミシュランが2021年10月から市場に投入した「CROSSCLIMATE 2(クロスクライメート ツー)」は、従来の「CROSSCLIMATE+」を進化させた最新世代の全天候型タイヤであり、同社がオールシーズンカテゴリーを本格的に強化していることを示す象徴的な製品です。
従来の「CROSSCLIMATE」シリーズは軽・コンパクトカー向け、セダン向け、SUV向けの3本立てでしたが、その中心とも言えるセダン用を刷新した点は、市場における主力需要を狙った戦略的判断と考えられます。
「CROSSCLIMATE 2」最大の特徴は、雪も走れる夏タイヤというコンセプトを明確に掲げていることです。
一般的にオールシーズンタイヤは夏タイヤと冬タイヤの中間的な存在と受け止められがちですが、ミシュランは敢えてオールシーズンではなく全天候型と位置付けることで、夏用タイヤとしての基本性能をベースにしながら、急な降雪時にも対応出来るという方向性を強調しました。
これは欧州や日本の都市部でのユーザー環境、すなわち普段はドライ・ウェット中心ながらも突発的な雪に備えたいという需要に合致しています。
性能面では従来の「CROSSCLIMATE+」に比べて明確な進化が示されています。雪上制動性能で7%、ウェットでのブレーキ性能で最大6%向上しており、日常走行に直結する安全性が更に底上げされています。
その裏側には、ミシュラン独自の新しいコンパウンドとトレッドデザインの刷新があります。サーマル・アダプティブ・コンパウンドは温度や路面状態に応じて柔軟に機能し、夏の暑い路面から冬の雪道まで一貫してグリップを発揮する設計です。
トレッドパターンはより大胆なV字形に切れ込むよう設計され、排水性と排雪性を大きく高めており、これがウェットや雪道での性能向上に直結しています。
また細部の技術も充実しており、ブイランプエッジによるブロック剛性の確保や、エルイーブイサイプの相互支え構造によって、ブロックの倒れ込みを防ぎ、接地面を最大化しています。
これによりドライ路面での制動力も向上し、耐摩耗性や転がり抵抗低減にもつながっています。更に摩耗が進むことで新たな溝や凹凸が現れるピーエッジ構造によって、使用が進んでもウェットや雪上性能が落ち込み難い点も特徴です。加えて摩耗度を25%刻みで確認できる新しいトレッドウェアサインは、ユーザーにとって実用的な利便性を提供しています。
こうした改良は単なる性能強化にとどまらず、市場での立ち位置を盤石にするための布石とも言えます。2018年にオートバックスで先行販売され、2019年から本格展開した「CROSSCLIMATE」シリーズをわずか2年で刷新したのは、この分野に対するミシュランの積極姿勢の表れであり、とりわけ乗用車用に注力する姿勢は市場規模を考えれば納得のいく判断です。
(ミシュラン公式サイトより)
またスタッドレスも2020年に「X-ICE SNOW」シリーズを投入、乗用車用「X-ICE SNOW」とSUV用「X-ICE SNOW SUV」を構築。しかも2021年から双方倍増するサイズ設定を実現しフォロー体制の更なる拡大を図っています。
ただそこはカテゴリーの異なるスタッドレスとオールシーズン、路面適合の違いを明確化しつつも特性はシッカリ主張。夏タイヤに求められるハンドリング性能やドライ・ウェット時のブレーキング性能を高い水準で満たしながら、急な降雪での雪上走行も可能にした全天候型タイヤを謳います。
なお、オールシーズンの特性としてアイス路の走行は無理。冬シーズンにこれが日常的ならスタッドレスを選択しないといけないでしょう。もしくはチェーンを装着しましょう。いずれのメーカーもその点は明確にしています。
「CROSSCLIMATE 2」は、ドライ・ウェット性能と雪上性能をバランスさせた全天候型タイヤとして、都市部ユーザーやスタッドレスは不要だが、突然の雪には備えたいという層に向けた理想的な解答となっています。
M+S規格に加えスリーピークマウンテンスノーフレークマークも刻印されており、高速道路の冬用タイヤ規制にも対応出来る為、利便性の面でも非常に完成度の高い製品だと言えるでしょう。
サイズ・購入
インプレッション
- 投稿数 【4】
- 氷 上 性 能
- 雪 上 性 能
- ド ラ イ性能
- ウェット性能
- 寿 命
- 平均評価値(5満点)
- 2.7
- 4.0
- 4.2
- 4.2
- 4.2
- 氷 上 性 能
- 雪 上 性 能
- ド ラ イ性能
- ウェット性能
- 寿 命
実際、十分イケました。雪国と言っても全ての路面が圧雪になるわけでなく、幹線道路は除雪も入りますから、冬でも大体アスファルトむき出しです。スタッドレスより踏めます(笑)。そして今は春となりましたが、日常用として地味に使う分には、過不足ありません。静粛性もOK。ただし、ドライビングプレジャーはゼロ。実用目線で通年使用は問題ないですが、夏タイヤ何か買うかな~?なお、氷上性能は誤解を招くと悪いので、注意喚起の意味を込めて1にしております。
- 氷 上 性 能
- 雪 上 性 能
- ド ラ イ性能
- ウェット性能
- 寿 命
は58000キロ走れました。現在で7000キロ走ってます。見た目、トレッド面の溝の幅が広くなったように見えました。このせいか、雨も不安はありません、排水性は良さそうです。乗り心地はソフトで静かになったような気がします。12月の大雪に丹後、鳥取方面に行きましたが、スタッドレスと同等に走れました。アイスバーンも速度と「急」のつく運転さえしなければまずまず安心して走れました。1月の大雪も同様に全く大丈夫でした。タイヤ寿命も前と同様に持ちそうです。オールシーズンタイヤは私にとってベストの選択でした。
- 氷 上 性 能
- 雪 上 性 能
- ド ラ イ性能
- ウェット性能
- 寿 命
使ってみると、ドライ路面の特性に大きな変化は無く、ウェット時の排水性は良くなったように感じます。スノーコンディションでの使用ですが、AWDで有るため、不安を感じるシーンはありませんでした。アイスコンディションではやはり、スタッドレスとの差は大きく感じます。わずかな部分であれば注意して走行できるでしょう。夏・冬専用タイヤにはかないませんが、積雪の少ない地域での使用には十分だと思います。
- 氷 上 性 能
- 雪 上 性 能
- ド ラ イ性能
- ウェット性能
- 寿 命
乗り心地は柔らかく、タイヤノイズの車内への侵入もルマン5と互角以上。特に雨の日の静粛性は抜群で、黒塗りの高級車並みです。ブレーキはドライでもウエットでも良く効きますが、少しハードなブレーキング行うとタイヤから「ゴーッ」という音が発生します。最近ブレーキダストで前輪ホイールが汚れ易くなりました。コーナーでは少しタイヤサイドがたわむ感覚がありますが、よく切り込みながら回頭してくれます。燃費はほんの少しだけ低下するようです。結果オールシーズンタイヤというネガティブな部分は微塵も感じさせること無く、使用しています。