ミシュラン e・PRIMACY 発表【新製品】

 ミシュランは、同社史上最高の低燃費性能を誇るプレミアムコンフォートタイヤ「e・PRIMACY(イー プライマシー)」を発表しました。対象は電動車に乗っているユーザーとし、モーター走行時の静音でも快適な運転環境を提供。具体的には低燃費、静粛性、偏摩耗や急激な排水性能低下を抑え安心が長く続く、という3を特徴に掲げます。

 ラベリング制度の転がり抵抗係数は27サイズ中22で「AAA」、ウェットブレーキ性能は27サイズ中23で「c」を実現。初期サイズは 175/55R20 89Q ~ 165/65R15 81T までの27を設定、2021年8月3日より順次発売開始です。

 「e・PRIMACY」の名称、頭文字の「e」は、「環境(environment)」「低燃費(Fuel econom)」「電動車(Electrified vehicle)」の3つに由来。使用開始から寿命まで高い安全性と環境性能を発揮。ユーザー1人ひとりが原材料使用量や廃棄の抑制によりCO2排出量の削減に寄与する、とも添えています。

 単に走行時の低燃費だけではなく、使用時から廃棄まで全てのシーンで環境性能を遺憾無く発揮する、ということ。これエコから低燃費タイヤへ移行しても主たる使命として課せられていること。

 環境タイヤとしての基本形を再認識、しかも静粛性と快適な乗り心地、そして低燃費を高度に実現するというから心意気は凄い。因みに「PRIMACY 4」との比較では、転がり抵抗を18.4%低減しています。そりゃ「AAA」ですからね!

 今回、電動車という言葉が主語になるけれどそもそもどんなクルマ? 電動車とはEVカーのみではない。モーターを駆動に採用したクルマのこと。従ってEVは勿論、ハイブリッドやプラグインハイブリッド(PHEV)、燃料電池車(FCEV)なども含まれます。

 また「e・PRIMACY」はカーボンニュートラルに向けて、というのが本筋です。クルマ業界で加速する電動化の流れ、電動車の普及拡大はもう間違いない。従って将来的に新車のほとんどが「e・PRIMACY」のターゲット層になる、と見ているよう。

 気になるのは「PRIMACY 4」の位置付けです。ミシュランのプレミアムコンフォートである「PRIMACY」シリーズは第4世代まで到達、そこには「PRIMACY 4」が絶対的な存在を示しています。で、5代目となる「e・PRIMACY」が取って代わるか、と言えばそうではない。

 2018年の投入から静粛性と低燃費、そしてウェットブレーキ性能に高い評価を獲得。プレミアムコンフォート完全化への役割を十分果たしているし、注目は今後も続くはず。従って販売は継続、「e・PRIMACY」のウェットブレーキ性能を補う意味でも併売となるようです。

搭載技術

 エナジー パッシブ コンパウンド と呼ばれる新開発の高弾性ゴムにより、シリカとのカップリング材を改善。ゴムの変形によるエネルギーロスを抑えることで転がり抵抗低減を実現。スチールベルトに強度と軽さを併せ持つ新素材(スリムベルト)を採用。耐久性を犠牲にすることなく内部構造の薄型化を実現し転がり抵抗へ貢献します。

 サイレント技術は、接地部分と溝部分の比率が常に一定になるよう設計。タイヤパターンから発する音圧を一定にすることで優れた静粛性を実現します。

 内部構造を適正化し、トレッド面の接地圧分布を均一化。加速時、ブレーキング時、コーナリング時にも接地面が安定し偏摩耗を抑制。U字型の主溝は摩耗末期でも排水性能を確保。摩耗による急激な排水性能の低下を防ぎ、長期にわたり安全性を確保します。

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