ミシュラン CROSSCLIMATE 3 SPORT 発表【新製品】

 ミシュランの「CROSSCLIMATE 3 SPORT(クロスクライメート スリー スポーツ)」は、全天候タイヤとしての枠を超えた存在感を放つ最新世代の製品であり、欧州を中心に評価されて来た「CROSSCLIMATE」シリーズの系譜を更に進化させたモデルです。

 元々「CROSSCLIMATE」は、夏タイヤ並みのドライ・ウェット性能を保ちながら、冬の路面でも安心して走れる性能を両立させることを目的に誕生、その第3世代となる「CROSSCLIMATE 3 SPORT」では特に高性能車やスポーティな走りを志向するユーザーに焦点が当てられています。

 スポーツと名付けられていることからも分かる通り、単なる全天候対応ではなく、操縦安定性や高速域でのグリップを重視した設計思想が随所に盛り込まれているのが特徴です。

 発売サイズは 295/35R21 107Y XL ~ 205/40R18 86Y XL までの27を設定。2025年10月1日から順次発売予定です

 大きな進化点は、新世代のコンパウンドとトレッドパターンにあります。従来モデルでもミシュラン独自のシリカ系コンパウンドが採用されていましたが、「CROSSCLIMATE 3 SPORT」では、温度変化に強いハイシリカコンパウンドが更に改良され、真夏の灼熱の路面から冬の低温まで柔軟性を保ちつつ、摩耗抵抗とグリップをバランスさせることに成功しています。

 これにより、夏タイヤに近い制動力を発揮しながら、冬季の軽度な雪路や凍結に近い状況でも確実に路面を捉える性能を確保しています。また、V字型の方向性トレッドパターンは世代を重ねるごとに深化し、排水性能と雪の噛み込み効果をより高めるよう再設計されています。深い溝の角度や配置はウェット路面でのハイドロプレーニングを抑え、雪道ではラグのエッジが路面をしっかり掴む役割を果たします。

 スポーティな走行性能を意識した点では、トレッドブロックの剛性向上が見逃せません。従来の「CROSSCLIMATE」シリーズは、快適性と全天候対応力を前面に打ち出していましたが、「CROSSCLIMATE 3 SPORT」は特に横方向の剛性を高め、コーナリング時の接地安定性を確保しています。

 これにより、高速道路でのレーンチェンジやワインディングロードでの操舵応答がシャープになり、いわゆるふらつき感を抑えています。また、スポーツカーやハイパワー車に合わせたサイズ展開が用意されている点も重要で、従来の汎用的な全天候タイヤとは一線を画しています。

 更に、ミシュランらしい耐久性の高さも健在です。常に重視してきたロングライフ性能は「CROSSCLIMATE 3 SPORT」でも受け継がれ、トレッド摩耗の均一化を図る構造設計やコンパウンドの耐摩耗性改善によって、長期間安定した性能を維持することが可能です。

 これは、単に寿命が長いというだけでなく、性能の落ち込みが緩やかであることを意味します。つまり、使用開始から摩耗が進んだ後でも、ドライ・ウェット・スノー全てにおいて一定の安心感が続くという点が他製品との差別化に繋がっています。

 加えて、3PMSFを取得しており、冬用タイヤ規制のかかる地域でも使用可能。これによって、一年を通じて同じタイヤで走行出来る利便性が格段に高まります。

 「CROSSCLIMATE 3 SPORT」は、全天候タイヤにありがちなどっちつかずの妥協点を大幅に引き上げたモデルと言えます。夏タイヤ並みのドライ・ウェット性能と、認証付きの雪道対応力を兼ね備えながら、スポーツカーや高性能車でも納得できる操縦安定性を実現しています。

 その為、オールシーズンタイヤを選びたいが走行性能を犠牲にしたくないというユーザーにとって理想的な選択肢となっており、全天候型タイヤの新しい方向性を提示する存在になっていると思います。

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