ヨコハマでは、乗用車用スタッドレスタイヤ「iceGUARD 8(アイスガード エイト)」を発表しました。「iceGUARD」シリーズが第8世代に進化し、氷上性能を革新的に高める、冬用タイヤ新技術コンセプトである冬テックを採用した第1弾製品となります。
冬テックとは、接触の密度(氷とゴムの接触点)と接触の面積(路面とタイヤの接触の面積)の2つの視点において、冬の路面との接触を最大化する技術です。
発売サイズは 225/45R21 95Q ~ 185/70R14 88Q の全71を設定します。2025年9月1日から発売予定です。なお、「iceGUARD 8(アイスガード エイト)」は愛称。製品名は「iceGUARD iG80(アイスガード アイジー ハチジュウ)」になります。
やはり拘るのは氷上性能、アイス性能の向上です。日本国内の厳しい冬条件を想定して開発され、長年にわたり進化を続けています。新製品投入の度にここ最大主張に拘ります。その進化はメジャーメーカーにおいても不変です。
ヨコハマのスタッドレス「iceGUARD」は、2002年に初代モデルが登場して以降、日本市場における定番製品の一つとなっています。初代はドライ性能よりも氷雪路でのブレーキング性能を優先する構成でしたが、都市部での使用ニーズやクルマ性能の進化にあわせ、「氷に効く、永く効く、燃費に効く」といった多角的な性能向上が図られてきました。
2021年には従来品となる第7世代「iceGUARD 7」が発売され、従来のウェット・ドライ性能やライフ性能に加え、氷上性能の長期安定性や低燃費性能など、総合的な性能バランスを追求した製品になりました。
そして「iceGUARD 8」は次世代製品、つまり第8世代モデルとして登場した訳です。ヨコハマとしても更なる技術革新を盛り込んだ新型として開発しています。
さて、その技術はどうよ?
トレッドデザインは、ヨコハマのAI活用フレームワークであるHAICoLab(ハイコラボ)のAI技術とシミュレーション技術を活用し開発しています。
冬用タイヤの4つの機能(圧縮抵抗、雪柱せん断力、凝着摩擦、エッジ効果)を最適化したプロファイルを抽出し、氷上路面と雪上路面との接触面積を追求。これにより、氷に効く路面とタイヤの実接地面積を従来品比8%増加、ブロック剛性を7%高めた専用トレッドパターンを開発し、氷上性能を大幅に向上しています。
コンパウンドは、新開発の冬ピタ吸水ゴムを採用しました。基盤となる素材を一新し、従来よりも小型化した天然由来素材である水膜バスターを高密度に配合。氷が滑る原因となる水膜を吸水する力を向上し、氷上での接触の密度(氷とゴムの接触点)を従来品のコンパウンドに対し63%増加することで、氷上性能を飛躍的に高めました。
また、シリカの増量と新素材であるオレンジオイルS+の配合により、低温時でも優れたドライ・ウェットグリップを発揮するとともに、約4年後まで氷上摩擦力の低下を抑制します。
「iceGUARD 8」は従来品に比較し、氷上制動性能を14%、氷上旋回性能を13%と大幅に向上するとともに、雪上制動性能も4%向上しています。加えて、ドライ・ウェット性能をそれぞれ3%向上し静粛性能も向上。転がり抵抗と耐摩耗性能は従来品同等レベルを維持しており、冬のさまざまな路面で高い性能を発揮します。
なお、電動車にも対応しており、タイヤサイドには電動車対応製品であることを示す独自マーク「E+(イー・プラス)」が打刻されています。