2020-2021年スタッドレスタイヤ新製品の動き活発化!

日本専用設計の発想

 近年、海外メジャーメーカーそしてアジアンタイヤメーカーに至るまで、日本専用設計を強調します。基本設計を本国の研究所で行い走行テストを日本で実施するというもの。また設計段階から日本をベースにするメーカーまで様々な形態が見られます。しかもテストの舞台は北海道が中心です。

 日本専用設計のもっとも大きな理由は雪による走行環境の違いに対応する為でしょう。日本と海外、特に欧州とは違いが大きいと言われます。日本国内でさえも地域によって雪質や降雪後の走行環境は全く異なります。尚更海外とはその違いが大きいでしょう。

日本の雪は多様性があり走行環境は厳しい

 日本は南北に長い地形によって世界屈指の降雪国とも言われます。寒暖の差が激しく積雪があると解け難く、気温が低下すると押し固められた雪はアイス路になりやすい。更にミラーバーンやブラックアイスバーンなど、非常に滑りやすい厳しい路面を作り出しています。

 一方で降っても直ぐ解ける地域もあれば、数年に一度だけという地域もあります。同じ国ながら冬環境は多様性を示します。

 対して欧州、といっても国多いし違いはあるけれど、雪質は軽く豪雪となるのは一部の地域だと言われます。更にここ注目。除雪対応が非常に進んでいる。降雪になると直ぐに除雪車が出動、そして融雪剤を大量に散布します。

 ただ北欧やロシアでは状況が異なります。常に路面に雪が積もる状況が発生しています。ここではスパイクタイヤの使用が認められており、アイス路を想定したスパイクタイヤ需要はいまだに続きます。

それぞれに専用設計

 日本国内と欧州、北欧やロシアを加えた3つだけでも環境の違いを感じます。従って日本だけに専用設計の投入を行うのではなく、欧州には欧州専用設計を、北欧・ロシアにはその専用設計となるスパイクタイヤが投入されていると理解したい。

 しかし、それでも日本専用設計の特殊性、要求の厳しさは特別でしょう。高い評価を得るには圧雪やシャーベットは勿論ですが、最も滑るアイス路を強く意識しなくてはなりません。更に近年はドライでの高速走行、低燃費も重視され夏タイヤ並みの性能が求められることも少なくないのです。

 このような市場特性に外国向けを投入してもユーザーの高い満足が得られるかは難しい。結果として日本の雪質を考慮し開発した専用設計が必要となるのです。

 日本で開発し専用設計を謳うことは、国内メーカーと同じ土俵で開発が行われていることになり、競争力に対する優位性を同レベル、もしくはそれ以上へ引き上げます。その多くは北海道を舞台に開発が行われています。

開発拠点は北海道

 北海道は、積雪状況や走行環境など開発に必要なデータ収集に適しています。また広大な土地柄からテストに十分な敷地も確保しやすい。国内メーカーの製品も多くが北海道の雪質をデータベースに開発が行われています。従って海外メーカーの開発拠点が北海道であることに納得です。

 士別市には交通科学総合研究所が管理・運営する 寒冷地技術研究会士別試験場 があリます。主に自動車・タイヤ・部品メーカーの開発試験などに利用されるという。海外メーカーの日本専用設計もここを拠点に開発が行われるケースが多いのでは。ミシュランなどそう、ピレリもか。

 国内メーカーの開発拠点も触れましょう。ブリヂストンは士別市多寄町に試験設備 北海道プルービンググラウンド を所有。ヨコハマはそれまでの T*MARY(ティーマリー) を閉鎖し、2015年旭川市に 北海道テストセンター を開設。また2018年から屋内氷盤試験場を開設し稼働しています。

 住友ゴムは名寄テストコース と 旭川テストコース の2箇所を所有。名寄では主に乗用車用の開発を行い、旭川はSUVやTB用の開発。トーヨーは常呂郡佐呂間町にある サロマテストコース。佐呂間町は網走や知床などがある道東に位置し真冬には最低気温が零下20℃にもなるという極寒の地です。

 日本の雪質や使用環境の理解が進み、海外メーカーの日本専用設計が拡大する傾向では、国内メーカーと海外メーカーのボーダレス化が以前より進んでいます。依然として国内メーカーの優位性は揺るがないものの、その差は接近しつつあると思います。

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