2020-2021年スタッドレスタイヤ性能比較!!

PROXESはグローバルフラッグシップで展開される

 トーヨーのブランド展開で現在スポーツ、プレミアム、SUV、そしてコンフォートまでを謳うのが「PROXES(プロクセス)」です。PROXEMICS=人間空間学からの造語、人間と周囲の環境の関係を研究するところから来ているという。

 「PROXES」の誕生は1991年、欧州でハイパフォーマンスタイヤとした発売されました。高品質とデザイン性を兼ね備えたことで評価を獲得、目の肥えた消費者に認められるところとなりました。

 1993年欧州市場の認知を経て米国へ投入。そこでは苦戦続きの末に辿り着いたのがニッチな市場であるスポコン(スポーツ・コンパクトカー)タイヤです。スポコンとは、当時西海岸の若者の間で流行り始めた小型のスポーツカーをレースカーのようにカスタマイズしたクルマ。その車両のステイタスとなったのがホンダ「シビック」でした。

 しかし、その要求を満たすタイヤはどこにもなかった。これに目をむけ発売されたのが「PROXES FZ4」です。当初は認知を高めるのに苦戦、スポコンファンが大勢集まる各地のイベントにも赴き、タイヤの特性を説明して回る日々が続きました。

 その成果もあって1999年にはSEMAショーで装着率No.1に輝く。SEMAショーは米国ラスベガスで年に一回開催される世界最大を謳うドレスアップカーの祭典です。東京オートサロン、独エッセンショーを加え世界3大ドレスアップカーショーとも言われます。

 2003年SEMAショーで5年連続装着率No.1を達成。これにより大ヒット映画「ワイルド・スピード」シリーズの車両へ指名装着を果たします。

 2004年いよいよ国内展開へ。「PROXES CT01」の誕生です。それまでトーヨーのスポーツタイヤと言えば「TRAMPIO」でした。20年以上に渡ってトップに位置付けられていましたが、北米と欧州での評価を受けてグローバルブランドである「PROXES」を国内で採用し、「TRAMPIO」の後継としたのです。スポーツオンリーの拘りは薄れ、プレミアムブランドとしての役割も果たすことになります。

 2005年「PROXES T1R」誕生。UHP(ウルトラ・ハイパフォーマンス)タイヤのグローバルブランドを構築しました。

 同年「PROXES R1R」誕生。従来「TRAMPIO」シリーズにあった「R1R」が「PROXES」ブランドへ編入されました。サイズラインナップを拡大、コンパウンドはグリップ力をキープしたまま耐摩耗性をアップ、「TRAMPIO」を継承する渾身の走りが期待されました。

 2009年「PROXES C1S」誕生。プレミアムコンフォートに位置付け、ビックセダンや高出力車をターゲットに静粛性や上質の乗り心地、そして高速スタビリティを加味、走りと乗り心地を兼ね備えた製品です。2014年には「A/a」を備えた低燃費タイヤ「PROXES C1S SPEC-a」へ進化。(しかし「SPEC-a」はフェードアウトしオリジナル「PROXES C1S」が再度の役割を果たす)

 2010年「PROXES 1」誕生。「PROXES」ブランドのNEWフラッグシップタイヤを謳います。2012年「PROXES T1 Sport」誕生。プレミアムスポーツとして、SUV用「PROXES T1 Sport SUV」も同時展開。

 2015年「PROXES CF2」シリーズ発売。「A/a」を備えた低燃費タイヤとして乗用車用「PROXES CF2」、SUV用「PROXES CF2 SUV」が登場です。乗用車用「PROXES CF2」は2012年に欧州で展開を開始、満を持して国内導入を果たしたことになります。

スポーツの細分化が実現するのでは?

 2017年、プレミアムスポーツ「PROXES SPORT」を投入。この位置は既に「PROXES T1 SPORT」が配置済みなのでその進化、とも捉えられます。低燃費タイヤ化による転がり抵抗とウェットグリップに長けており、従来に比較するとよりトータル性能向上が果たされています。

 これによりトーヨーもスポーツの細分化が実現するのでは。具体的には3つの製品を異なる位置で展開します。ドライグリップの頂点を極める(サーキット)に「PROXES R1R」、上質な大人のスポーツマインドを駆り立てる(プレミアム)に「PROXES SPORT」、そして裾野を広げた性能で広い見地からカテゴリー普及に貢献する(ストリート)に「PROXES T1 SPORT」を配置。

 完全フィットには少し強引さがあるかも。でも各製品の特性をより印象付けるには最適だと考えます。しかぁし、残念ながら「PROXES T1 SPORT」はフェードアウトの扱いに。2012年発売から8シーズン目になるしショウガナイ‥

 最近のスポーツタイヤ性能比較の特徴である囲い込みの施策にトーヨーもようやく括られた、と思ったのですが残念です。

 なおドライグリップに優れた製品として2016年投入済みの「PROXES R888R」が存在します。こちらはジムカーナやサーキット走行に傾倒した点がピュアスポーツとしてのレベルを超えている、と判断。乗り心地・摩耗・振動などの点で他に比べ性能が劣る、というし別物と判断します。

 これにより「PROXES R1R」の延命が図られています。しかしながら「TRAMPIO」を経て2005年からの継続だし他の最新に比較し見劣りが大きい。毎年進化系の投入を望むも未だ実現しないのが残念です。発売当初はかなりいい感じだったんですけどね‥

 最後にまとめ。現在の「PROXES」にはやや戸惑いが。本来プレミアムスポーツと捉えていたものが、スポーツ、プレミアム、SUV、そしてコンフォートまで拡大されつつあり、複雑化を招いています。スポーツ系とその他は分けるべきと考えます。

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