スタッドレスタイヤは、溝の深さと低温でもゴムの硬化を防ぐのが特徴です。先進技術や素材が積極的に導入され実現されています。
これは雪道を安全に走行する為ですが、深い溝は排水性を高め、ブロックに刻まれたサイプ(細溝)は表面の水を吸い取り、引っ掻く(掴む)という働きがあります。この働きを促進する為に、ゴムは低温でも柔軟さを失わない特殊なものが使用されています。
そして雪が降らなくても寒さ厳しくなれば、スタッドレスタイヤへの交換が望まれます。気温が下がると空気中の分子の硬化が始まります。この時夏タイヤはゴムの硬化が進み、グリップの低下が見られるようになります。
この時スタッドレスタイヤなら低温時でもゴムの硬化を抑える特性から、夏タイヤに比較してグリップに優れるということです。コンチネンタルでは「気温7℃」を下回るようになれば、スタッドレスタイヤの使用を推奨しています。
逆に気温が上がる春には、スタッドレスタイヤから夏タイヤへの交換が必要です。その際ここでも「気温7℃」を目安にすべきかと。気温7℃以上が常なら交換時期と判断していいのでは。
但し、近年は天候不順、桜が咲いてから降雪が‥ という年も見られます。折角交換したのに雪、従ってそこは考慮すべき点もありますね。GWくらいまで待つか‥
スタッドレスタイヤで夏場の使用は危険!
冬の間使用したスタッドレスタイヤを、春 ~ 夏へ向けて使い続けた場合どうなのでしょうか。本来冬専用であるスタッドレスを、夏場も使用し続けることに対しての危険性は無いのでしょうか。
実は今使っているスタッドレスの使用限界を感じ、来シーズンは新品にすることを前提に履きつぶそう。なので交換しないで春 ~ 夏も使い続ける人は毎年15%前後にも上るという。しかし、実はこれ危険性をはらんでいるのです。
スタッドレスの特徴、実は夏場の路面では弱点となり、危険性に繋がる可能性があるんです。
スタッドレスの柔らかいゴムは、特に夏場の高速走行では激しい熱を持ちやすくなります。変形しやすくその状態で走行すると、乗り心地が悪くなるばかりではなく運転性能も著しく低下、最悪破裂(バースト)の可能性が高まります。空気圧不足でも同様の危険性が懸念されます。
また、もうひとつの特徴であるタイヤの溝の深さは、通常路面では接地面積が少なくなり摩擦が大幅に減少します。これにより夏タイヤと比較して、ブレーキの効きが悪くなり制動距離は大きくなります。コーナリングもその限界が大幅に低下します。
本来雪道を安全に走行することを想定して製造されているスタッドレス、昨今は雪のないドライの高速道路でも快適に走行出来るよう性能レベルが飛躍的に向上しています。それは飽くまでも冬場のこと。夏場は夏タイヤとの性能差が歴然です。
よって、履きつぶそうと夏タイヤへ交換しないで気温が上がる春 ~ 夏へも使い続けることは、快適性の悪化もそうですが安全面から大変危険であると言えます。
気温7℃以上が常なら、もしくは諸々考量し春になれば夏タイヤへの交換が望まれます。ただこの2、3年で一気に盛り上がるオールシーズンなら状況は異なるかと。夏冬性能を備えることで通年利用が可能です。