ホイール比較(選び方)

hikaku

 ホイールを変えれば車はいい感じになる。しかも見た目だけじゃない。走りの良さや安定性、更には乗り心地や運転性能だって期待出来ます。

 またホイールは素材や製造方法、形状などによっても果たす役割は異なります。そんなホイールの基本知識や役割を理解すれば、よりベストな選択が可能では。

 ただ少しばかり複雑さが伴います。そこで比較的容易な選択が可能となる、タイヤとのセットを提案します。

(2018.4更新)

役割って何?

 ホイールを変えれば車は格好良くなる。でも、ホイールの役割は格好良さだけじゃない。実用的なホイールの役割、またその活用法とは何?

デザインによる違い

ホイールデザインによる違いイメージ

 ホイールはそのデザインによって、見た目は当然ですが、ホイールそのものの重量やバランスも大きく違ってきます。デザインによって軽量化されたホイールは、サスペンションの動きが良く、特にコーナーでは接地性が高まりグリップ感が増します。また微妙なギャップでも車の跳ねも抑えられ乗り心地や運転性能が高まります。

重量による違い

ホイール重量による違いイメージ

 軽量化されたホイールによる最大の恩恵は「バネ下重量」の軽減です。バネ下とはホイールやタイヤ、ブレーキなどサスペンションよりも下についている部分です。この部分の軽量化はバネ上に比較して6倍以上の効果があるといわれており絶大です。このことにより、加速、ハンドリングそしてブレーキ性能などが飛躍的に向上します。

サイズによる違い

 タイヤの性能を引き出すのも実はホイールですが、リム幅やオフセットなどのサイズは、実際タイヤメーカーのカタログにも推奨するサイズが明記されています。どのタイヤとホイールが組み合わさるかによって、タイヤの接地面積や剛性が変わってきます。

 それはグリップ感や静粛性、乗り心地にも影響するということです。見た目の格好良さからリム幅の大きいものを選べば良いと言うわけではありません。そのタイヤには適正なホイールのサイズがあるのです。

素材による違い

ホイール素材イメージ

 ホイール素材により、ブレーキの効きに大きく影響する放熱性の役割に違いがでます。ホイールはブレーキのローターをセンターのハブ面に密着させてブレーキのヒートシンクとして熱を吸収する役割を持っています。そのホイールの素材は、アルミ 、スチール 、マグネシウムの3種類がありますが、一番優れているのはアルミ素材のホイールです。

基本知識

 ホイールの素材、製造方法、形状などによってもホイールが果たす役割は異なります。ホイールの基本的な知識とはこんな感じかな。

素材

 ホイールの素材は、大分してアルミ 素材、スチール 素材、マグネシウム素材の3種類に分けられます。アルミ 素材を原料としているのがアルミホイール、スチール 素材を原料としているのがスチールホイール、マグネシウム素材を原料としているのがマグネシウムホイールです。それぞれに特徴があり、価格、重量、剛性や放熱性など違いがあります。

アルミホイール

 アルミホイールは、厳密には原料に軽量のアルミニウムを使用したアルミ合金製のホイールです。アルミニウムを使用することにより、軽量で剛性や放熱性が高く、また加工も容易な為に多彩なデサインのホイールを製造することができるのが特徴です。また、アルミホイールの製造方法には鋳造(ちゅうぞう)製法と鍛造(たんぞう)製法の2種類があります。

■ 鋳造製法(ちゅうぞう)

 鋳造製法は、溶かしたアルミニウム合金などを金型に流し込んで成型する方法で、最も多く製造されている製法です。鋳造製法は鍛造製法と比較して多彩なデザインが可能でコストも比較的安く上げられますが、強度や軽量化などの性能は劣ります。

■ 鍛造製法(たんぞう)

 鍛造製法は、アルミ二ウムや合金の塊を何千トンもの高圧力で押し潰してホイールの形状に作る製法です。鋳造製法と比較して、剛性が高く、軽量にできるのが特徴ですが、工程作業がやや複雑で製造コストが高く、結果販売価格が割高になります。また、鍛造製法は、1ピースから3ピースまでの構造の違いがありそれぞれ特徴があります。

・1ピース製法

 1ピース製法のホイールは、リム部からディスク部までが一体化したタイプのホイールです。剛性など均一であるため、品質も安定しやすいのが特徴です。

・2ピース製法

 2ピース製法のホイールは、一体構造のリム部とディスク部を別々に作って、溶接またはボルトで締めて組み合わせるタイプのホイールです。

・3ピース製法

 3ピース製法のホイールは、分割されたアウターリムとインナーリム、そしてディスクを組み合わせたタイプで、3つの部分から構成されたホイールです。

スチールホイール

 スチールホイールは、鉄製のスチールで製造され、コストが安価で大量生産に適していています。ただ、アルミホイールよりも放熱性や剛性が低く、重量も重くなります。デザイン的にも限界があり、その為スポーツカーやハイパフォーマンスカーには不向きです。一般的には、スタンダードタイプの乗用車や商用車などに装着されています。

マグネシウムホイール

 マグネシウムホイールは、マグネシウム合金で製造された鍛造製法のホイールです。マグネシウム合金はアルミ二ウムや鉄製スチールと比較して剛性があり重量が軽いのが特徴です。その為に、軽量なホイールの製造が可能となります。

 しかし、マグネシウムホイールはアルミホイールに比べ加工が難しく、材料が高価でデザイン的な自由度も少ない為に一般的にはあまりなじみがなく、レースシーンなどで使われることが多い製品です。

バランス

 ホイールバランスとは、タイヤをホイールに装着した際の遠心力などのバランスをさします。ホイールはタイヤを組んだ状態のままでは、バランスは完全ではありません。ホイールバランスが狂ったまま運転をすると、ハンドルにブレが生じ、特に高速走行ではこのブレや振動が大きくなります。

 通常は、タイヤをホイールに装着した時にホイールバランスをとりますが、走行するうちにバランスは少しずつ狂って来ますので、ぶれを感じるようになれば、ホイールバランスのとり直しが必要です。

オフセット

ホイールオフセットイメージ

 2008年7月より、オフセット の名称が変更になりました。従来の プラスオフセットは「インセット」、ゼロオフセットは「ゼロセット」、マイナスオフセットは「アウトセット」。

 リムの中心より取り付け面が外側なら「インセット(プラス(+)オフセット)」、内側なら「アウトセット(マイナス(-)オフセット)」になります。中心線上なら「ゼロセット」です。単位は「mm」で表示されます。

 「インセット」でホイールはボディーの内側へ移動し、「アウトセット」でボディーの外側へ移動します。ホイールがボディからはみ出したり、内に入りすぎたりしないように注意が必要です。

P.C.D

ホイールP.C.Dイメージ

 P.C.DとはPitch Circle Diameter(ピッチサークル・ダイアメーター)の略で、ホイールのボルト穴の中心線を結んでできる円の直径のことです。

 この部分は114.3mm、100mm、139.7mm、110.mmなど車種によって異なります。また、ボルト穴数は、乗用車では4穴、5穴、6穴があります。市販アルミホイールの中には、4・5穴併用の8穴マルチタイプのものもあります。

フランジ

 ホイールフランジとは、タイヤのビード部を包み込むリム部分の形状の事を言います。一般的にB.J.JJ.K.L等の記号で示されます。

サイズの見方

ホイールサイズ表示例