タイヤの役割 - 基本機能と性能に対する理解

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 タイヤを装着するものはクルマ(自動車)、自転車、バイク、飛行機、台車、1輪車にリヤカー・・ 普段の生活で我々が何気なく目にするものなどに利用されています。

 これらはいずれも黒くて丸いのは同じながら、大きさや溝などのデザインは様々です。みな用途に合わせ最適なカタチが作られています。

 最も目立つのは接地面に刻まれた溝では。幅や本数、方向性など配置次第でデザインは大きく異なります。この違いが性能差として示されることに。

 クルマなら例えばスポーツ系、グリップ性能への得意性を持つわけですが、実現にはブロック面積の確保が必要。その為に溝の本数は最小に抑えられ大きなブロックで接地面積を得ています。ただ溝の本数は最小としながらも幅広を確保、これによりウェット性能も効果的に実現しています。

 一方コンフォート系は、快適性を得るために溝の本数は多め、ブロック面積も小さめです。溝がノイズの逃げ道となり静粛性を向上させ、更にウェットでの効率化をより高めるのが狙いです。

 とうことで、溝本数が少なければよりスパルタンな雰囲気を。対して本数が増せば複雑化し洗練されたイメージが高まります。最近ではサイド形状にも性能へ直結する重要な役割を持たせています。また素材への注目もより高まっています。ナノ・レベルなど高度化した技術の採用は当然のように行われ、結局はデザインと素材の両面から性能向上を果たすのが高性能タイヤの条件、と言えそうです。

(2018.8更新)

4大機能とは

 タイヤ1本の接地面積は僅かはがき1枚分。4本で全体を支え、駆動・制動を伝え、衝撃を吸収、方向の転換・維持など大きく4つの役割を担います。4大機能と呼ばれ、いずれもドライバーの意思を直接路面に伝え安全に走行する為の重要なものです。各メーカーでその機能に関する解説が見られるも、ここではブリヂストンとダンロップを参考にしてみます。

1、荷重支持機能(負荷加重性能)

 クルマの荷重をしっかり支える。車体やドライバーや同乗者などの乗員、荷物などをしっかりと支えます。

2、駆動・制動機能(トラクション・ブレーキ性能)

 スムーズに走り、ギュッと止まる。クルマが走ったり、止まったりするには、エンジンからの駆動力やブレーキからの制動力を路面に伝える必要があります。路面との摩擦によって役割を果たしています。

3、進路保持機能(操縦性・安定性能)

 方向転換、直進する。直進走行の安定感、コーナーでのバランスとグリップなど、クルマがドライバーの意思通りに走るための機能を有します。

4、緩衝機能(快適性能)

 快適な乗り心地。路面の凹凸による衝撃を吸収・緩和し、快適な乗り心地を実現します。

基本性能7つを理解

 4大機能を実現する詳細性能は基本7つです。いずれもタイヤの構造に由来するところであり、素材や空気圧によっても受ける印象は異なります。高性能化は基本機能を活かしつつ、その評価となる性能の高度化を図る、というのが理屈上の在り方になるかと。

①直進安定性(ふらつきを抑え真っ直ぐ走ろうとする性能)
②ドライ性能(ドライ路面で安全に止まり、スムーズに曲がる性能)
③ウェット性能(ウェット路面で安全に止まり、スムーズに曲がる性能)
④低燃費(転がり抵抗を低減し燃料消費を抑える性能)
⑤ライフ(使用限界まで走行距離を長くする性能)
⑥静粛性(ノイズを抑える性能)
⑦乗り心地(衝撃を吸収し乗り心地を良くする性能)

 性能の優秀さは具体的根拠として示されるのが望ましい。よって数値で表されるのなら最も理解が深まります。ここに少しでも公平な観点からタイヤを判断すべき、としたものがラベリング制度、低燃費タイヤです。それでも転がり抵抗、ウェットグリップに限定され、残る項目はメーカー指針によるところが大きい。

 7つの基本性能すべてにおいて高度化するのが理想か、と言えば必ずしもそうではない。現実はタイヤの方向性(カテゴリー)によって実現レベルが異なります。性能追求レベルを変えることで個性を引き出すことになるのです。

パターンの特徴

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 タイヤと路面が接地する面をトレッド、トレッド面は様々な溝や切り込みが刻まれており、そのデザイン(模様)をトレッドパターンと言います。

 働きは、制動力を路面に伝え、ウェットでの排水を効率的に行いスリップを抑制、操縦安定性を高め静粛性や乗り心地の快適性を向上させます。パターンは用途によって4つに大別されます。

1、リブパターン(縦溝)

 直線またはジグザグが周方向に連続した溝をもつパターン。操縦安定性や直進安定性が高く、転がり抵抗が少ない、排水性に優れ、横滑りに強い、低騒音などが特徴です。

2、ラグパターン(横溝)

 周方向に対して横方向に連続した溝をもつパターン。駆動力や制動力に優れ、牽引力が高いなどです。

3、リブラグパターン

 リブ型とラグ型の併用パターン。リブで操縦安定性、横すべり防止、ラグで駆動力、制動力を発揮させるなど両方の性能をあわせ持っています。

4、ブロックパターン

 独立したブロックを配列したパターン。駆動力や制動力が高く、雪路や泥ねいでのグリップ性能に優れています。スタッドレスタイヤなどに採用。

基本構造

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 タイヤの構造は外部が、トレッド部、ショルダー部、サイドウォール部、リブ(ビード)部に大別されます。

 内部は、ベルト、カーカス、インナーライナー、ビードワイヤーなどの部材で構成されています。

【外部】

1、トレッド部

 タイヤが路面と接触する部分。トレッドパタンが刻み込まれており、ウェット路面での排水や静粛性に役割があり、デザインを変えることでより大きな効果を得られます。

2、ショルダー部

 トレッド面からサイドウオールにかけての繋ぎ目(タイヤの肩の部分)部分。走行時に発生する熱の発散などに影響を与えます。

3、サイドウォール部

 側面。銘柄やサイズなどの情報が記載されています。コーナーリング時に横方向へのふんばりや乗り心地など快適性に影響を与えます。最も屈曲が大きい部分で強化すれば安定感は高まりますが、その分ゴツゴツした硬い乗り心地になってしまいます。

4、リブ(ビード)部

 ホイールと結合される部分。タイヤをリムに固定させる役目を負っています。高炭素鋼を束ねた構造です。

【内部】

1、ベルト

 ラジアル構造のトレッドとカーカスの間に円周方向に張られたコード層。カーカスを締めつけて、トレッドの剛性を高める役割を果たします。

2、カーカス

 タイヤの骨格を形成するコード層。荷重、衝撃、充填空気圧に耐える役割を持っています。

3、インナーライナー(ゴム層)

 タイヤの内面に貼り付けられるゴム層の部分。気密保持性を確保する役割です。

4、ビードワイヤー

 スチールワイヤーを束ねてゴムで被覆したリング状の補強部材。カーカスコードの引っ張りを受け止めてリムに固定する役目です。

サイズ表示

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 タイヤサイズは側面(サイドウォール)に刻印されています。表示毎に製品規格によって定められている範囲の寸法になります。

 例えば「215/45R17 87W」の表示では、幅、扁平率、ラジアル構造、リム径、ロードインデックス、速度記号となります。

1、タイヤ幅(mm)

2、扁平率(%)

3、ラジアル構造(R)

4、リム径(インチ)

5、ロードインデックス(LI)

6、速度記号