タイヤも新品なら慣らしが必要

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 タイヤを新たに購入した際、慣らし走行の必要性が謳われます。新車の慣らしは広く伝えられているけれどタイヤの慣らしってどうよ?

 これには表面の余分な油膜を取り、ホイールと馴染ませるなど相応の意味があるんです。

 新品を装着後、いきなり全開では本来の性能もそうだけれど安全性だって懸念されます。ここではその理解を深め慣らし走行の必要性を確認します。

(2018.3更新)

慣らし走行の意味

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 新品をホイールに組み込み初めて内部に空気を充填すると、タイヤの骨格であるベルトなどの構造部材が僅かながら膨張します。タイヤが成長する、という表現を用いますが厳密には 寸度成長 もしくは 寸法成長 と言われます。

 この成長期には約1ヶ月間で 10 ~ 20kPa 空気圧が減少、これにより発熱もしやすい為に過酷な走行は避けるべき、とメーカーも強く伝えています。

 また製造工程でトレッド面に油などが付着しており、そのままでは本来の性能が発揮出来ないし何より安全性が懸念されます。一定速度で一定距離を走行し、この油分を取る(トレッド面の表面の薄皮を剥く)必要があります。

 更にホイールを馴染ませる意味合いもあるんです。装着直後はホイールへの均一な密着が不足しています。慣らしをすることで均一性が高まり偏摩耗等の予防に繋がります。結果、寿命にも影響する、ということです。

 ドライバーが新たな製品へ慣れるのも目的のひとつになります。それまでとは異なる性能特性をより安全な環境で体感しておくことは非常に大切です。

具体的にはどうすれば?

 実はメーカーにより微妙に慣らしの指針が異なります。走行速度は大よそ60km位は皆同じ、負担を出来る限り少なくすることを意識したい。しかし、走行距離が100km位を示しているところから、200km位まで必要というところまで。100kmの違いは大きい、ここは中間の150km位としておきますか。

 ということで、特別難しいことを求めている訳ではありません。過度な負担を避け、なるべく優しく一定距離を走りましょう。これが終えたなら空気圧等を再確認、不足があれば充填し慣らし終了です。