スポーツタイヤブランドの由来
運動性能に優れたグリップ性能重視のスポーツタイヤは、その開発にモータースポーツからの技術還元があります。歴史的に見てもこの傾向は現在まで継承され、各タイヤメーカーにとってはレースの勝敗が商品の信頼性に直結します。
認知されたタイヤブランドは市場での販売に大きな影響力を及ぼします。ブリヂストン「POTENZA」、ヨコハマ「ADVAN」、ダンロップ「DIREZZA」、トーヨー「PROXES」など。ここでは国内メーカーに限定するも、各ブランドの歴史的誕生と進化、その由来について確認します。
タイヤメーカーのスポーツタイヤブランド
1979年、初代POTENZA RE47誕生。POTENZAの開発で一貫しているのは常に最新、最高の技術を注ぎ込み、更に妥協の無い製品に仕上げていくこと。POTENZAはモータスポーツにこだわり続け今やFIでもその技術は認められています。POTENZAはイタリア語で「強さ」や「可能性」を意味し、その意味を成すように培われたノウハウは確実に市販タイヤへ活かされています。
■ ヒストリー
1979年 | POTENZA RE47誕生 「コナーでなかないタイヤ」と呼ばれたPOTENZA第一号のタイヤ。路面に張り付くようなタイヤ。走り屋には魔法のようなタイヤと思われた。 |
1982年 | POTENZA RE86誕生 「グリップ+ステプレの追求」 ステアリングレスポンスの改善。グリップはコンパウンド、新しい技術でレスポンスを稼ぐ努力がなされた。 |
1982年 |
POTENZA RE91誕生 |
1986年 | POTENZA RE71誕生 国内タイヤ初のポルシェ標準装着タイヤ。その後欧州のスポーツカーに次々と標準装着。このことは欧州のタイヤメーカーへ大きな影響を与えた。 |
1993年 | POTENZA RE710誕生 中島悟をテストドライバーとして、ドライ&ウェットをかつてない次元へ導いた。 |
1997年 | POTENZA RE711誕生 「F1のテクノロジー」AQドーナッツ(性能低下抑制技術)採用により、磨耗後のグリップ持続性が飛躍的に高まる。 |
2001年 | POTENZA RE01誕生 「POTENZA史上最強のドライグリップ」F1で培ったドライグリップダウンを抑制する技術を取り入れた配合剤をコンパウンドに投入。 |
2004年 | POTENZA RE01R誕生 POTENZA RE050誕生 「R」の称号が与えられた新しいPOTENZAはドライグリップ重視のコンセプトを見直し、ハンドリング、コントロール性、ウェット性能を確保しストリートでの安心感を向上。 |
2008年 | POTENZA RE11誕生 最強と言われた「01R」を凌ぐ高性能さが特徴。 |
2010年 | POTENZA S001誕生 「POTENZA RE050」の後継。スポーツタイヤカテゴリーとしては初のエコ性能を有する。プレミアムスポーツを謳う。 |
2012年 | POTENZA RE11A誕生 「POTENZA RE11」の進化。サーキットでのベストラップの更新をイメージした「Beyond The Fastest」をキャッチコピー。 POTENZA S001 86専用スペック誕生 「86」の性能を更に引き出すべく共同開発を謳う。 |
2014年 | POTENZA Adrenalin RE002国内投入 ヨーロッパやアジアなど世界各地で発売されていた「Adrenalin RE002」を国内でも投入開始。 |
2015年 | POTENZA RE-71R誕生 「POTENZA RE71」の復活。「R」の称号は「RE-71」の性能、情熱を引き継ぐという意味を込めている。 POTENZA Adrenalin RE003投入 「Adrenalin RE002」の進化。裾野を広げたタイヤ性能に注目する。 |
1978年、国内初のスポーツブランドタイヤとして誕生。その後ADVANは「HF」や「GLOBA」など数々の人気タイヤを生み出してきました。更に1995年に「NEOVA」の発売により、それは決定的なものとなり今日に至ります。ADVANは英語の「Advance先進」や「Advantage優位性」を意味します。
■ ヒストリー
1978年 | ADVAN HF誕生 ADVANブランドを全面に押し出したマーケティング戦略で、スポーツタイヤの人気を獲得する。 |
1979年 | ADVAN TS-02誕生 |
1981年 | ADVAN HF type D誕生 先進的な非対称パターンを採用し、アドバンのスポーツラジアルとしての評価を高めた。 |
1982年 | ADVAN HF type C誕生 |
1988年 | ADVAN GLOBA誕生 非対称方向性ラジアル。CMでのこれが新しい速さというフレーズが印象的。 |
1989年 | ADVAN A021R誕生 |
1991年 | ADVAN A029R誕生 ADVAN HFtypeD-EM誕生 ADVAN HFtypeF-TU誕生 |
1992年 | ADVAN NEXUS誕生 |
1994年 | ADVAN A032誕生 |
1995年 | ADVAN NEOVA誕生 レーシングレインタイヤ用に開発された斬新なトレッドパターン採用。非対称パターンでスタイリッシュなV字のグルーブが印象的。 |
1996年 | ADVAN A032R誕生 |
1997年 | ADVAN A032RS誕生 |
1999年 | ADVAN A038誕生 ADVAN A039誕生 |
2003年 | ADVAN NEOVA AD07誕生 第4世代への進化。市販ラジアル最速を目指し、モータースポーツで培われたテクノロジーを投入。 |
2009年 | ADVAN NEOVA AD08誕生 満を持して登場。「ADVAN」最強のストリートタイヤを謳う。競技用タイヤを除いて、一番速く、一番楽しいスポーツタイヤを継承。 |
2013年 | ADVAN NEOVA AD08R誕生 最強の「ADVAN NEOVA AD08」をチューニングし進化させた。ドライバーを満足させる「速さと楽しさ」を実現。 |
ダンロップタイヤの始まりは、1888年J.B.ダンロップが息子の為に作った自転車用のタイヤでした。その後、その時代、時代の優れた技術者によって着実な進歩を遂げ、それから115年、2003年にこれまでの「FORMULA」ブランドの後継として登場したのが「DIREZZA」なのです。
「DIREZZA」は「DIRECT(英語:支配する)」+「REZZA(イタリア語:風)」の造語で「疾風を支配する」と言う意味です。DIREZZAはFORMULA同様レースシーンから還元されるテクノロジーを最大限取り入れたスポーツタイヤブランドです。
■ ヒストリー
20年以上にわたり市販用及び競技用のスポーツ系タイヤの代名詞として「FORMULA」ブランドは親しまれ「FORMULA D40/M2」や「FORMULA FM901」などのスポーツ系タイヤを誕生させてきた。「FORMULA」ブランドが一つの時代を終え、新世代のスポーツタイヤブランドとして「DIREZZA」の誕生。 | |
2003年 | DIREZZA DZ101誕生 スポーツタイヤとして「ドライ&ウエット性能向上」「低ノイズ・優れた乗り心地」「偏摩耗に強い」「ハイドロプレーニング性能向上」を実現。 |
2005年 | DIREZZA SPORT Z1誕生 サーキットでのラップタイム短縮というコンセプトを掲げ、ダンロップタイヤの最高峰モデルに位置づけられる。 |
2008年 | DIREZZA SPORT Z1 Star Spec誕生 更に進化を遂げ、走行初期から更に強力なグリップ力と、全域でのコントロール性を発揮できる。 |
2012年 | DIREZZA ZⅡ誕生 「DIREZZA SPORT Z1 STAR SPEC」の基本性能を踏襲、新パターン、新構造の採用でドライグリップ性能を更に進化させることでラップタイムの短縮を強く訴える。 DIREZZA ZⅡ 86専用スペック誕生 「86」の運動性能を更に引き出し、操る楽しさを体感できる専用タイヤ。 |
2014年 | DIREZZA DZ102誕生 「DIREZZA DZ101」の後継として久々のモデルチェンジ。スポーツコンフォートタイヤへのポジショニングも差別化では明確化している。 DIREZZA ZⅡ★(STARSPEC)誕生 「DIREZZA ZⅡ」の後継としてドライグリップ性能をさらに向上させる。サーキット走行で1周目、最速、平均のすべてのラップタイムを1.0%以上短縮。 DIREZZA ZⅡ★86専用スペック誕生 「86」専用タイヤ。 |
それまでのトーヨータイヤのスポーツタイヤと言えば「TRAMPIO」でした。20年以上に渡ってトップに位置付けられていましたが、北米とヨーロッパに輸出して高い評価を受けていたグローバルブランドである「PROXES」を国内で採用し、それまでの「TRAMPIO」の後継としたのです。「PROXES」は「PROXEMICS 人間空間学」からの造語で、人間と周囲の環境との関係を研究することからきています。
■ ヒストリー
1991年 | PROXESヨーロッパでハイパフォーマンスタイヤとして発売。 |
1993年 | ヨーロッパでの成功をうけPROXESをアメリカ市場へと送り込む。スポコン用タイヤ「PROXES FZ4」発売。*スポコン(スポーツコンパクトカー) |
2004年 | PROXES CT01誕生 これまでのコンフォートタイヤに求められていた「静粛性」と「乗り心地」に「運動性能を」をも兼ね備えた新コンフォーとタイヤとして発売。 |
2005年 | PROXES T1R誕生 高速安定性を基本として高い運動性能とウェット性能を兼ね備え「ウルトラ・ハイパフォーマンスタイヤのグローバルブランド」を構築。 PROXES R1R誕生 従来TRAMPIOシリーズにあったR1RがPROXESブランドへ編入された。サイズラインナップを拡大し、コンパウンドはグリップ力をキープしたまま、耐摩耗性をアップ。 |
2007年 | PROXES R33 TRF誕生 独自のサイド補強型ランフラットタイヤ「TOYO RUN FLaT」(TRF)。 発売サイズは245/40ZR18の1サイズ。 |
2010年 | PROXES 1誕生 PROXESブランドのNEWフラッグシップタイヤを謳う。 |
2012年 | PROXES T1 Sport誕生 PROXESブランドのプレミアムスポーツタイヤ。SUV用として「PROXES T1 Sport SUV」も同時に誕生。 |
2005年1月それまでのダンロップタイヤとファルケンタイヤが合併しダンロップファルケンタイヤが誕生。しかし、AZENISは今もなお明確に残り先進のダンロップとは違う角度によるブランドの構築を果たしています。更に進化したスポーツブランドタイヤとしてモータスポーツシーンで活躍を続けます。AZENISは、時代を意味する「AGE」と頂点を意味する「ZENIS」を合わせた言葉。このブランドは「時代の頂点をめざすための力」を意味します。
■ ヒストリー
↓ AZENIS ST115誕生 AZENIS RT215誕生 合併前。 |
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2005年 | AZENIS RT615誕生 スポーツ走行やスポーツカスタマイズを志向する若年層をターゲットに、 ストリートからサーキットまでさまざまなステージでの走行を想定し開発。 |