アイス性能向上は除水と密着、そして引っ掻きの3つで実現する

 スタッドレスタイヤのアイス性能は、除水と密着、そして引っ掻きの3つを実現することで、高度な効きへの可能性を高めます。それぞれが果たす役割について見ていきましょう。

1、除 水

 まずは除水から。凍った路面であるアイス路は、タイヤの回転熱で表面が融け僅かに水膜が発生します。これが滑りの原因となります。従って水膜の除去、そう除水することが第1段階として託されます。

 除水はメーカーにより2つの手法が存在します。国内メーカーならブルヂストンやヨコハマ、トーヨーなどは吸水作用を採用します。親水性に優れた特殊ゴム素材そのものが水膜を積極的に取り込みます。対してダンロップやファルケンは撥水作用です。水膜を積極的にはじく特殊ゴム素材で除水を実現します。

 撥水は吸水に対して真逆の発想で密着へ辿ります。正直、吸水と撥水は優劣つけ難い。いずれも次の段階となる密着へ実効性を導きますので。そして技術進化は吸水と撥水の作用に更なる効率化をもたらしています。

2、密 着

 水膜除去によってアイス路へ密着します。しかも路面を広くよりしっかりとらえれば滑りの抑制効果が向上します。この実現は特殊ゴム素材の柔らかさに委ねます。アイス路表面の凹凸、しかもミクロレベルでその隙間を埋めることが可能です。しっかりピタッ! のニュアンスです。

 更にブロックの剛性を上げることで、倒れ込みを抑制し接地面積の拡大を狙います。路面を広く、という発想の実現です。サイプへの拘りが示され間隔を適正化するなど手法は様々だけれど、従来から注目するのはダンロップの技術。

 ミウラ折り を応用したミウラ折りサイプは、ブロックに力が掛かっても刻まれるサイプ同士が内部で支え合い倒れこみを最小限に抑えます。

3、引っ掻き

 最後の詰めは引っかき効果です。ブロック剛性を上げエッジを効かせること。そしてサイプ数を増やしエッジ量の拡大を図ります。強固な角と多くの角がアイス路面を確実に引っ掻きます。

 またかつてのスパイクピンをイメージさせる引っ掻き素材が、特殊ゴムに配合さるケースもあります。但し、素材はたまごの殻からガラス繊維、そしてクルミの殻まで様々。トーヨーが拘ったのは、アスファルトを削らないで氷を削るという発想の元に僅か0.1mm程に粉砕された鬼クルミの殻です。氷より硬いがアスファルトよりも柔らかく環境にも優しい。

ナノレベルの技術

 除水と密着、そして引っ掻きの3つは、いずれもナノレベルでの技術によって達成しています。ナノは10億分の1を示す単位であり、1ナノメートル=0.000 000 001メートルです。ナノレベルが特殊ゴム素材を生み飛躍的に進化させた、ということです。

2017-2018年に向けたスタッドレスタイヤの選び方、ポータルとしての役割を強化し、ポイントになる基本性能のあり方を絡め背景を察知、取り巻く環境の変化など詳細に伝える。
圧倒的多数の新製品が2017-2018年最大の興味になるのでは。過去に例を見ない5製品にプラスして乗用車用にCUV向けサイズを追加するなど、実質6製品の投入を確認。
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