スポーツ低燃費タイヤ出現でカテゴリー特性の多様化が進む

 JATMA(一般社団法人 日本自動車タイヤ協会)が示すラベリング制度のグレーディングシステム、そう転がり抵抗係数とウェットグリップ性能の一定要件をクリアしたのが低燃費タイヤです。該当すると低燃費タイヤを見分ける統一マークが表示され、そうでない製品との差別化を図ります。

 必ずしも低燃費タイヤのみが高性能で素晴らしい、とは言い切れないけれど、普及が進む現在、タイヤ選択の基準となっていることは間違いない。一定要件を満たすには相応の技術搭載が必要、しかも相反する性能のレベルが高いほど実現は困難を極めます。その一つがスポーツタイヤです。

 スポーツタイヤは、ブロック面を広く確保し接地性を稼ぎ高いグリップ性能を得ています。その結果、加速や制動、コーナリングを高い次元で実現します。抵抗の大きさ、と言っていいだろう、低燃費とは間逆の方向です。スポーツカテゴリーにおける低燃費タイヤ化が果たされて来なかっ理由としてここポイントになるのでは。

 ヨコハマ「ADVAN FLEVA V701」の投入による影響

 そして2016年、ヨコハマが投入した「ADVAN FLEVA V701」がようやくその殻を破りました。ラベリング制度の転がり抵抗係数「A」(サイズによって「B」)、ウェットグリップ性能「a」を実現しています。低燃費タイヤを見分ける統一マークが表示され、スポーツ低燃費タイヤの誕生です。

 この意味は非常に大きい。「ADVAN FLEVA V701」の位置付けは圧倒的グリップ性能を誇るピュアスポーツには届いていないものの、街中での快適性とスポーツ性能を底辺から支える懐の広い製品として、カテゴリー内での新たなポジションを強調します。

 実現には特殊コンパウンド、ゴムの存在があります。ヨコハマが誇る ナノブレンドゴム を採用、そこには オレンジオイル や シリカ、様々なポリマーなどをブレンドしています。走行時のエネルギーロスを最小限に抑えながらも、転がり抵抗低減を図り、しかも高いグリップ性能を発揮する、という両立に貢献します。

 「ADVAN FLEVA V701」の投入でスポーツカテゴリーに低燃費タイヤ化が進むか、と言えば難しい。飽くまでも的を射た方向性だから実現したことでは。ピュアスポーツにとって必ずしも超えなくてはならない性能要件ではないんです。

 まとめるとこうなる

 スポーツ低燃費タイヤの出現は画期的であることは間違いない。これに刺激され他メーカーからの投入も望まれます。ただピュアスポーツは飽くまでもドライグリップの追求だし、プレミアムスポーツはその位置付けが揺ぎ無い。カテゴリー内での方向は多様化を強めている、ということです。

国内3メーカー(ブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップ)にプラスしてグッドイヤーが投入するスポーツタイヤは、フラッグシップにもなる圧倒的な性能を搭載。最大特徴、そう主張点はドライグリップ。ミシュラン、ピレリはこれまで通りの自己主張を継続、築き上げたブランドイメージを踏襲する。
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